「職場恋愛なんてありえない!」
そう思っている人、どれくらいいるんでしょうか。
実際の職場恋愛に関する調査では、2015年の調査では4割ほどの人が職場恋愛を経験したことがある、ということがわかっています。
参照:「相談サポート通信 相談者実態調査」4割が「職場恋愛の経験あり」と回答。「不倫経験あり」との回答も。|アスクプロ株式会社 AskPro, Inc.のプレスリリース
職場恋愛と一言でいっても、仕事場はオフィスがひとつしかない中小企業から、いくつもの部署がある大企業まで様々。環境によって恋愛の出会いの機会の有無も変わりますよね。
小さな会社では恋愛の機会も非常に限られるでしょうが、総合商社のような大企業なら、社内合コンなんていう出会いの機会にも恵まれるかも。部署同士の繋がりが遠いほど、付き合ってもたとえ別れても、周りへの影響は少なくて済みそうです。
あなたの職場はどのくらいの規模でしょうか?もし恋愛のチャンスがありそうなら、職場で出会いを探してみるのも悪くはありません。
今回は「職場恋愛」について、そのリスクや職場で付き合った相手と上手に関係を続けるコツ、また職場で誰かに片思いをしてる場合のアドバイスまで、まるっと掘り下げていきます。
まずは職場恋愛において起こりうるリスクにや注意点についてお話ししていきましょう。
職場恋愛の注意点を解説

「職場内恋愛は嫌だ」という人たちにとって、最も恐れているリスクといえば「周りの人間関係の悪化の可能性」ではないでしょうか。
噂話をされたり、嫉妬心を買ったり、そのために仕事に支障をきたしたり。あるいは、心理として「別れた後に気まずくなる」という考えもありますよね。
しかし、冷静に考えてみましょう。「職場内恋愛で噂されたり嫉妬されるのが嫌だ」という人のほとんどは、もし他の同僚が職場内恋愛をしているとき、自分自信が噂話をしたり嫉妬をするようなタイプなのではないでしょうか。
そんなに他人のプライバシーに突っ込まなければ、誰が誰とどのような関係性にあろうが、仕事に影響が出なければ本来は気にならないものです。
恋愛感情を職場に持ち込まず、他人の私事と上手に距離を置くことができる大人な職場なら、きっと同僚や上司と部下で付き合っていようが問題ないでしょう。
職場恋愛にリスクがある場合というのは、職場に他人の事情に首を突っ込みたがる噂話大好き人間がいる場合、そして同じ部署にいわゆる恋のライバルがいる場合など。また、自分自身が職場内で相手といちゃつくなど、TPOをわきまえない場合です。
つまりは自分と相手がきちんと秘密を守ることができるのならば、たとえ社内恋愛禁止の環境でもどうにかなるもの。職場内で上手に立ち回るためにも、まずは、職場恋愛では具体的にどのようなリスクがあるのかを知っておきましょう。
周りに迷惑をかける場合
もし、自分の職場で他の同僚が職場内恋愛をしていたら、うざいと思いますか?給湯室とかでこっそりいちゃいちゃしているところを見ると、熱々のコーヒーをぶっかけたくなるでしょうか。
もし自分が彼氏や彼女とうまくいっていたり、結婚相手がいる場合はきっと微笑ましく感じるのでしょうが、余裕がない場合、つまり自分がモテていない時、恋人を作りたくてもうまくいっていない時などは、イライラすることがあるかもしれません。
嫉妬ですね。逆に考えてみれば、もし自分が職場内でいい相手を見つけて、仲良くしているところを他の恋愛関係の潤っていない同僚に見られた場合、敵意を買うことがあるかもしれないということです。
世間では、アイドルに恋人がいたら「ご迷惑をおかけして申し訳ございません…」と謝罪会見がよく行われます。日本では実際問題他人に迷惑をかけているわけでもないのに謝らされていることがよくあります。自分と他人との境界線がはっきりしていないと、他人のプライベートにつけ込みたがる厄介な人になっちゃったりします。
周りがさっぱりした人ばかりなら良いですが、ねっちょりとした嫉妬の感情を他人に遠慮なくぶつけたいタイプにとっては、職場内恋愛をする人のことは「迷惑」に感じられることがあるのです。
すると、職場の人間関係が拗れて厄介なことになってしまうかも。本当に職場内恋愛で他人に迷惑をかけることがあるとしたら、職場内恋愛を心よく思わない人との対立によって、そこに無関係の人も居心地悪くさせてしまうことといえるでしょう。
会社が社内恋愛を禁止するワケ
企業の中には、社内恋愛禁止のルールを設けている会社もあります。
その理由としては、
- 社内の風紀や秩序を守るため
- 仕事に支障をきたす原因の排除
- セクハラや不倫の防止
などがあります。
まず、会社のような組織だって仕事を動かす環境では、一人一人が自分の役割をそつなくこなす必要がありますよね。
さらにその職種によっては、仕事中は厳格な態度でいなければいけないこともあるでしょう。たとえば、そのような職場で誰かと恋をしていちゃいちゃしているところを顧客に見られれば、「信頼できない会社」と判断されてしまうこともあるかもしれません。
また、恋愛は人の判断力を狂わせることがあります。恋をしている相手だけ、成績に関係なく贔屓したり、集中力が鈍るようなことがあっては社会人失格です。仕事をスムーズに進めるためには、私情を挟むのはNG。
そして、職場内でもし不倫問題やセクハラが起これば、異動や解雇にもつながる大問題に発展します。結構多いんですよね。上司が立場を利用したセクハラをするも、被害者の部下が冷静に証拠を集めて反撃し、結局上司がクビになったり僻地に異動したりすることって…。
これらのように、人間関係が仕事に支障をきたす可能性を、企業側は極力排除したいわけです。そのため、社内恋愛が禁止という職種や会社では、「すでに職場で好きな人ができてしまった!」という場合以外は、できるだけ職場の人のことはサルか何かだと思い、恋心を抱かないようにしましょう。
別れた後に気まずい?
職場恋愛が倦厭される理由には、「別れた後でも同じ環境に居続けないといけないのが気まずい」というものもあります。
こういう意見を持つ人は、おそらく学校などでも同じクラスや専攻の人と付き合うのを避けてきたか、あるいは実際に「気まずい関係」になってしまったことのある経験者なのでしょう。
ただ、共通するのは「これから付き合う相手とそう遠くない未来に別れるだろうと思っている」という意識。誰かと付き合う前に別れた後のことを考えるのは、少し臆病すぎるかも。
もしくは、そういう意見の人でも、真剣に恋をすることがあれば、職場で出会った相手とも交際を決意するのかもしれません。
いずれにせよ、職場恋愛をこれからする可能性がある人は、自分の態度や周囲への気遣いを忘れずに。たとえ恋人と別れても、せめて仕事中は周囲の人と変わらず接することができるようにアンガーマネジメントを徹底してください。
別れた後に気まずくなるのは当事者たちだけではなく、周りの人たちも居心地悪くさせてしまいます。仕事の効率が悪化することもありそうですね。
職場恋愛は、自分の感情を優先させない人だけが出来るものといえるでしょう。
分別のある大人だけができる職場恋愛
仕事に私情を挟むのは、いい大人のすることではありません。実際のところ、会社にはただ個人的に気に食わないだけの相手に酷い態度を取る人がいたりするものですが、大体報いを受けるものです。
高校生や中学生の時などは、同級生と付き合って別れた後、相手に逆恨みされて悪い噂を流される…なんてことも起こり得たこと。しかし、それは未熟な子供特有の人間関係における価値観からくる行動であり、未熟な恋愛観というもの。
社会人がそんな幼稚な恋愛をするべきではないでしょう。職場恋愛は色々と悪影響が起こる可能性を考えて動かないといけません。
そして、悪影響を自分で作り出すことが一番のタブーです。職場でできた恋人を異様に贔屓したり、逆に別れてから面倒な仕事を押し付けたり、あからさまに冷たい態度を取るなど、自分の感情のままに動いてはいけないのです。
職場恋愛をするなら、職場にいる時は決して自分の感情主体ではなく、会社の中での自分の役割をこなすことを最優先にさせましょう。それに自信がなければ、職場ではなく外の環境で恋人を作った方がいいかもしれません。
噂話にご注意を
職場恋愛にまつわる悪影響は、当事者以外の周囲の人たちから受けることもあり得ます。
たとえば、職場にもし噂好きの人がいたとすれば、より注意深く行動した方がいいでしょう。
もし、自分と同僚や上司、部下など職場内で恋人ができた場合、それがバレたら噂好きの人に言いふらされてしまうかもしれません。それがもし社内恋愛禁止の会社であった場合、自分たちの立場を悪くするきっかけにもなり得ます。
あるいは、もし職場内で付き合った相手のことを好きだった他の人がいたら、厄介なことになってしまう可能性も。相手によっては、社内いじめや嫌がらせをされるかも。
仕方のないこととはいえ、人の嫉妬を買うのは出来るだけ避けたいものです。職場内で付き合っている人がいるということは、極力他人にバレないようにした方がいいでしょう。
社内恋愛禁止の職場では、お互いとの関係を秘密にすることはもちろんですが、特に禁止されていない職場でも、恋人関係については信頼できる人以外にはできるだけ明かさないほうが身のためです。
公私混同はNG
職場恋愛に特有の悪影響を避けるためには、できるだけ関係を秘密にした方がいいもの。そのためには、どれほどラブラブ期間だとしても、社内でいちゃいちゃするのはNGです。
たとえば、ドラマや漫画などでは、会社の給湯室やエレベーター内など、死角でいちゃつく職場内カップルもいるかもしれませんが、スリルがあってもバレないのはフィクションの中だけと思いましょう。
給湯室はいつでも人の出入りがあるものですし、エレベーターにも監視カメラがついているので、大体バレます。自分たちでは隠しているつもりでも、あまり職場で一緒にいる時間が多すぎると、雰囲気でバレることもありそうです。
周囲の公認の中であれば、仲良くしているところを見られても問題ないですが、それでも恋人同士の甘い雰囲気を垂れ流すのは違います。発情するのは家に帰ってからにしましょう。
職場で不倫は最悪のパターン
職場恋愛に関して最もしてはいけないことは、不倫です。
職場に限らず不倫がダメなことは周知の事実ですが、職場でそれをやると周囲への迷惑がものすごいことになります。
不倫関係にある当事者たちは、もしかすると「バレなきゃセーフ」と考えているのかもしれませんが、不倫がバレずに墓まで持っていけるケースはほとんどありません。バレます。必ず。
社内で不倫が発覚すると、どのようなことが起こるでしょうか。
まずは、仕事がたち行かなくなりますよね。周りの社員も合わせて、気まずさや困惑で仕事に集中できなくなります。もしそれが繁忙期だったらと考えるとゾッとしませんか?
次に、周りからの反感を買うということ。不倫をしているということは、全く好印象はありません。間違いなく周囲の人から嫌われます。業務連絡以上の会話はしてもらえなくなるかも。
そして、いざこざによって仕事に支障をきたしてしまった場合、会社に損害を与えたとして、自分の予想していないタイミングでのクビや異動もあり得ます。
自分たちにも周りにとっても、不倫がバレれば最悪なことだらけです。「恋は自由!」じゃないので、大人として自分の感情や欲求を職場に持ち込まないように気をつけましょう。
クビ、慰謝料、評判落下の三重苦
社内不倫の影響で起こり得ることとしては、最悪の場合クビだけでは済まないこともあるかも。
その不倫から離婚に発展した場合は、相手から慰謝料請求をされるのは確実です。もし自分が「既婚者の人を誘惑した」側だとしても、裁判で「自分が不倫をそそのかした」という結果になれば、数十万から百万円ほどの慰謝料の支払いを命じられることもあり得るもの。
そして、同じ業界でもし不倫の噂が広がれば、再就職も難しくなるかもしれません。噂が届かないほど遠くの環境に逃げなければいけないというのは、かなり辛いことになるでしょう。
不倫がバレれば、精神的にも経済的にも、将来的にも大打撃をくらいます。あんまり漫画やドラマ、映画の危険なロマンスを真に受けたり、良いものだと思わないようにしてください。
現実には、不倫のメリットはゼロです。他に気分が良くなれることはたくさんあるので、誰も傷つけない趣味嗜好を心がけましょう。
上手に職場恋愛を続けるコツ

職場恋愛は、その環境で一歩間違いを犯せば、なかなか厄介な事態になるというのはわかりましたね。
それでは、ここからは「リスクを避けながら職場恋愛を満喫するコツ」について考えていきましょう。
まず、もし職場内に恋人がいるとしたら、そのことはできるだけ秘密にすることです。小さな会社で、周りからも公認の関係なら問題ないかもしれません。しかし大体の場合、「自分とあの人は付き合ってる」という話題を仕事中にするのは公私混同というもの。
社内で恋愛関係を持っていることについてはあまり公にしないほうが、トラブルを避けられます。関係について打ち明けるのは、仲のいい同僚や信頼できる相手だけにするべき。
そして、恋人である自分たち間でも、プライベートと仕事は分けた方がいいでしょう。お互いが居心地良ければ良いですが、たとえばデートなどのプライベートな時間にあまり仕事の話をすると、息苦しくなってしまうかも。
仕事で感じたストレスを家に持ち込むと、同棲中の恋人やパートナーと喧嘩になるのはよくあることですが、それはたとえ同じ仕事をしていても変わりません。仕事とプライベートを上手に区切ることで、恋愛もスムーズになります。
あとは、職場の人たちに自分たちの関係がばれたくない場合、特に社内恋愛禁止の環境で恋愛をしているときには、決して職場の近くではデートをしないこと。
芸能人ばりにマスクや帽子で変装をして、こっそりデートをするのもたまには楽しそうですが、一回バレればそれで秘密が終わる可能性もあるので、慎重になりましょう。
では、これらのコツについて、具体的にお話ししていきます。
人に言わない
職場恋愛の関係をストレスフリーで続けるためには、まず関係のことをあまり職場の人に明かさないことが大切です。
大きい職場の場合、おそらくライバルになり得る人も多くなるので、相手が他の人に心移りしてしまわないか心配になることもあるかもしれません。しかし、「暗黙の了解」というような、誰にも恋愛を邪魔されない居心地の良い状態になるには、少し時間がかかります。
具体的にそれがどのような状態かというと、「自分たちが恋人関係であるということを特に公にしていないにもかかわらず、周りの認めた関係である」という状態。自分たちにも周りの人にも、悪影響がない状態ともいえます。
まず「私たち付き合いまーす!」みたいな宣言を職場では普通しないと思われますが、そうでなくても「あいつら付き合ってるんじゃね?」という推測がされている時点で、周りの人は少しそわそわします。
一緒にいるところをよく目撃されたり、秘密のサインを送り合っていたりなど、仲がよさそうにしていれば、勘繰る人もいるでしょう。そうして「あいつらは恋人同士かもしれない」という予感をさせることを仮に職場恋愛の「フェーズ1」とします。
フェーズ1では、自分たちからは周りに明かさないことが大事。社内恋愛禁止じゃない場合、あくまでも周りが自然に感づくまでは関係のことは人に言わないこと。
そして、自分たちと仲の良い、信頼できる人に自分たちの関係について聞かれたときだけ、本当のことを明かしましょう。これがフェーズ2になります。
それからは、打ち明けた友達や、周囲の理解が得られれば、自分たちにも周囲の人たちにとっても安定した環境になるでしょう。
打ち明けるのは関係が安定してから
なぜこのような段階を踏んでいきたいのかといえば、恋愛の付き合いたての時期というのは、別れる確率が高い時期でもあるから。
付き合ってみると相手が思っていた人物像ではなかったり、体の相性が悪かったりなど、初期段階で関係がつまずいてしまうのは、割とよくあることです。
そして、もし職場で付き合った相手とうまくいかず、数週間から数ヶ月で別れることになるとしたら、上の「フェーズ1」の期間でとどめたいところ。
すると、もし関係がうまくいかなかったとしても、ただ周りが「もしかして付き合ってる?」と勘繰っているだけの状態なら、「勘違いですよ」といえば済むのです。
ここで自分たちの口から関係について話をしていたとしたら、気まずいのは自分たちだけではありません。
周囲の人との距離が近い職場恋愛では、関係の安定が必須です。自分たちがそのうち「結婚します」と報告したときに、周りをびっくりさせることもなく祝ってもらえるような関係を目指しましょう。
関係が安定していて、周囲の理解があれば、後ろめたさも気まずさもなく出勤することができます。
また、職場内で、誰か信頼のおける人に自分たちの関係を打ち明けるとしたら、自分たちが「良いカップルだな」と思えるまでは関係を秘密にし、お互いが信頼できる相手として真剣交際するようになってからにしましょう。
味方を作ろう
職場内恋愛とは、人によっては快く思わない人もいるものです。厄介なのは、そういう職場で恋愛が起こるのを嫌がる人が悪意を持つこと。
そういう人から自分たちの関係や評判を守るためには、自分たちのことを擁護してくれる人が必要です。関係を応援してくれる味方が多いほど、ある意味「同調圧力」がかかることで、悪意のある人も攻撃を仕掛けられなくなります。
自分たちの関係に対して反感を持っている人が多いと、いくら自分たち目線では相性の良いカップルで、どれだけ職場内では仕事優先で動いていたとしても、肩身が狭くなりストレスを感じるようになります。
そうなると、「別れた方がいいかもね」という話になるのは時間の問題。秘密にしていてもバレる時はいつか来ますが、バレるまでにお互いの関係が強固なものでなければ、周りの人もいい顔をしないかも。
別れる前提の関係を職場で探さない方が良いのです。職場恋愛をするなら、結婚(事実婚)前提で付き合いましょう。「結婚する予定です」といえば、周りがどんな人たちでも認めざるを得ない言い分にできることもあります。
あんまり噂好きの人や嫌味な人、嫉妬深い人に囲まれた職場では働きたくないものですが、段階を踏みつつ慎重に行動すれば大丈夫です。お互いがまずい立場にならないよう、気をつけていきましょう。
信頼できる人の見分け方
会社のような組織は、信用できる人物かと思いきや、実は「信頼を得ていろいろ情報を聞き出し、上司に全部チクる」みたいなことをする人がいますよね。
たとえそれが結果として一ミリも自分のためにならないとしても、立場の弱い社員はときには組織の歯車になるしかないことがある…かもしれません。
いくら社内恋愛が禁止の職場だとしても、真剣な交際であり、業務に支障をきたさないと理解してもらえれば、多めに見てもらえる場合もあるでしょう。それでも、自分たちの関係について他人にチクられたり言いふらされるのは、いい気分ではありませんよね。
自分たちの秘密の恋愛関係を打ち明けても問題ないのはどんな人かといえば、自分たちの両方にとって友人と呼べる人です。
仕事上では信頼のおける人が、人間として信頼のおける人かどうかというと、少し違うことがあるのです。道徳観がなくても回る仕事もありますから。
他には、自分たちが弱みを握っている相手など。たとえば、同じように周りにバレたくない恋愛関係を持っている人は、こちらを裏切れば自分の関係もバラされるかもしれないので、敵に回ることはないでしょう。
また、味方にできる人は、上の立場であるほど安心です。単純に権力にものを言わせることができます。
…なんだか、敵だの味方だのと物騒ですが、会社によっては本当にギスギスしやすい環境もあることと思われます。
和やかな会社ならこれらのミニチュア政治は必要なことですが、今の自分の職場の環境や人間関係をかえりみつつ、どの程度慎重になるべきかを判断してみてください。
プライベートと仕事を分ける
職場恋愛では、いくらラブラブであろうと、仕事場でいちゃつくのはNG。
他の同僚の前で手を繋いだりなどの直接的な行動はもちろんダメですが、明らかに「予想外の外泊後」の雰囲気を漂わせながら二人で出勤してきたり、チームの人をほっといて常に恋人とだけランチをしたりなど、ちょっとした行動でも敵意を買う可能性があります。
会社でデートをしてはいけません。会社は恋愛をする場所でも、出会いスポットでもないので、極力は社内の恋人相手でも、他の社員と同じように接することです。
もし自分が恋人の上司だとして、恋人だけ優遇することがあれば、相手は「枕営業」という悪評にさらされてしまうかもしれません。逆に、他の社員と分け隔てなく接していたとしても、相手は周囲から正当な評価を受けられなくなってしまうのもあり得ます。
こうしたギクシャクを避けるためには、やはり関係については秘密にしておくべきでしょう。環境によっては、仕事の連絡以外で相手に話しかけない方がいいこともありそうです。
職場に恋人がいても、仕事の環境に恋愛感情は持ち込まないように。
「仕事」を家に持ち込まない
反対に、同じ職場で仕事をしている恋人とのプライベートに仕事の関係を持ち込むのも、よくありません。
たとえば、職場では上司と部下の関係でも、恋人関係まで上下関係を持ち込むのは卑怯といえたもの。恋愛ではお互いに対等な関係でないと、健康的ではありません。
なぜかというと、恋愛関係が対等ではなくどちらかにアドバンテージがあると、「性的関係の強要」が成り立ってしまうのです。相手の愛情を得るためには尽くさないといけない、なんて関係のどこが幸せに思えるでしょうか?
良い恋愛関係は、お互いの愛情がバランスよく、相手に特に何もしてあげなくても「自分は愛されている」という自信が持てるものです。もちろん尽くすのは良いことですが、それはお互いに「持ちつ持たれつ」ができるときだけ。
そのため、恋愛関係において仕事上の立場を盾にするのはNG。
また、仕事のストレスをデートや家に持ち帰るのも、できれば避けたいものです。仕事に対する愚痴はどうしても出てくるものですが、それが二人で共有・共感できるものではない限り、愚痴を聞かされる相手の立場を気遣いましょう。
特に同棲中の場合、癒しと場所であるはずの家に帰ってもまだ仕事の話をしないといけないのは、辛い人もいるはず。カップルが両方仕事人間で、四六時中仕事の話をしていたいなら別ですが、どちらか一方がそうでないなら、そちらに合わせてあげましょう。
公私混同を避けるのは、何より自分たちのため。良い関係を続けられるよう、工夫をしてください。
職場の近くでデートをしないこと
職場恋愛の関係がバレたくない期間、上の『人に言わない』の見出しで説明している「フェーズ1」の時には特に、職場のある地域でのデートは避けるべき。
たとえば、丸の内なんかはデートスポットとしても魅力のある場所ですが、大企業に勤めているならその会社がある地域は、ある意味「監視されている」と思った方がいいでしょう。
「壁に耳あり、障子に目あり」です。どこで誰から見られているかわかりません。いくら現代人の視力が低下していようが、意外な場面で職場の恋人とデートしているところを目撃されてしまうかも。
都市部なら他にデートスポットなんていくらでもあります。会社帰りに近くの居酒屋やレストランで食事デート、というのは、職場恋愛ならとても手軽な選択肢ですが、お互いの関係が公認なものになるまでは控えた方がいいでしょう。
「フェーズ2」に移行するために、お互いがちゃんとした恋人である感じを小出しにしていくとしても、思いっきりデートに行く格好をして二人きりで過ごしているところを職場の人に見られれば、100%付き合っていることはバレます。小出しどころじゃありませんね。
せめて、会社の近所で一緒に過ごすときは、制服やオフィスカジュアルなど、普段出勤する格好にしましょう。
変装する?
職場恋愛の相手とデートしているところを見られたくなければ、変装をする…なんて解決法も、一つのアイデア。
本来は、まだ関係を秘密にしている時にはデートは他の場所にするべきですが、どうしても会社の近くでデートをしたい時には、変装してみてもいいでしょう。
とはいえ、特殊メイクをしたり髪を染めるまでしなくても大丈夫。マスクをしたり、眼鏡をかけたり、普段とは違うメイクや髪型をしたり。簡単にできる工夫をして別人になりきりましょう。
知り合いとすれ違っても、一眼では自分だと気が付かないくらいになれると理想的です。たとえば普段は華やかなファッションだとしたら、シンプルに抑えてみたり、ファッションのタイプが変わるだけでも、本人とは気付きにくくなるものです。
普段メガネをかけない人はメガネをかけたり、逆に外したりすることも有効でしょう。
変装してデートをするというのは少し馬鹿馬鹿しいように思われるでしょうが、やってみるとスリルがあって楽しいものです。社内不倫でこういうことをするのは最低ですが、健全な関係なら、たまにはちょっとした遊び心のあるデートをしてみましょう。
職場の人に片思いをしてしまったらどうする?

これまでの話は、職場恋愛ですでにカップルになっていることが前提でしたが、最後に「職場の人に片思いをしている場合」の上手な立ち回り方についてお話ししましょう。
同僚や上司、部下に恋をしているときは、職場に通うモチベーションも上がり、毎日の仕事に楽しみが増えます。しかし、恋愛はポジティブな面だけではなく、同時に不安や嫉妬の感情も湧き上がってくるもの。
好きな相手が他の人と仲良くしていても、動揺してはいけません。もし片思いのせいで仕事に支障をきたしたり、相手に迷惑をかけることがあるなら、恋心は封印した方が良いでしょう。
特に会社で職場恋愛が禁止されているわけでないなら、押してみてもいいかもしれません。しかし、禁止されている場合は、相手へアプローチをかけるのは職場の外でしなければ、周囲も巻き込んで気まずくさせてしまうかも。
そのため、恋心を成就させるために動くのか、それとも諦めるのか、状況によっては選ばなければなります。
また、同じ環境で恋愛することは、片思いの場合は相手を「落とす」ためにとても時間がかかることもあるので、「今すぐ恋人が欲しい」という気分の時にはまず職場の相手は諦める方がいいでしょう。
それでは、ここから「職場で好きになってしまった人を諦めない場合」のアプローチ法をアドバイスさせていただきます。
長丁場を覚悟する
学校も同じくですが、同じ職場の人に片思いをしてしまった場合、その恋が成就するには数年単位の長い時間がかかる可能性があります。
普段、顔を合わせないような離れた場所にいる相手なら、たとえ告白をして振られたとしても、翌日会う必要もありません。しかし、毎日会う仕事仲間には、そうした大胆な行動をすることはできませんよね。
振られる側も傷つきますが、振る側も申し訳なさや困惑などでだいぶ精神を消耗してしまいます。
何より、告白が失敗するとお互い大変気まずいですし、相手は特にこちらに対する気遣いを強要されるようなものなので、結果的に迷惑をかけてしまうかもしれません。
そのため、職場内での片思いでは、特に慎重になりましょう。
まず相手にも自分のことを好きになってもらうためには、「同僚」から「友達」の関係にレベルアップすることです。
「職場恋愛」といっても、職場で恋を育むわけではなく、相手を振り向かせるにはプライベートで会う時間が必要。会社の飲み会などではなく、自分たちで時間を作って会うことができるまで、友達として仲を深めるのです。
社内のイベントや飲み会、昼休み中などに、相手の趣味や好きなことを聞いてみましょう。そもそも同じ趣味や好みがなければ友達になることも難しいので、相手と自分の共通点を見つけることから始めてください。
それから恋愛対象として自分のことを意識してもらうためには、何年もかかるかもしれません。相手が「職場恋愛はナシ」と考えるタイプなら尚更です。
本当に相手のことが好きで、他の相手は考えられない、という場合にのみ、片想いは価値があります。あまり長い間待つことができないなら、他の相手を求めた方がいいでしょう。
もちろん、清潔感や身だしなみ、教養をはじめとする基本的な自分磨きも忘れずに。
「好きバレ」を避けるためには
恋愛では、片思いの相手を振り向かせるためには、自分の好意を伝える必要があります。
しかし、慎重になるべき職場内での片思いの場合、あまり自分の好意がバレバレの言動をしては、気まずい思いをさせてしまうかもしれません。
相手が自分に好意を持つまで、職場では自分の気持ちを隠しましょう。プライベートな時間で好意的な態度を取るのは良くても、仕事場では公私混同はNGです。
つまり、職場での片思いの場合には、多少の演技力が求められるともいえるでしょう。職場では、相手を「好きじゃないふり」をするということです。
業務的な態度を徹底しましょう。少し気を緩めるとしたら仕事中以外の時間に。
あるときは優しくしたり、あるときは冷たくしたりと、多少の緩急をつけると相手の気を引くことができます。「仕事中は真面目で、プライベートでは優しい」という態度は大体プラスに働くので、参考にしてみてください。
ガチ恋なのか、ただの「ファン」か
「上司」や「先輩」など、上の立場にある人は、そうじゃない時よりもかっこよく見えるもの。男女ともに、憧れを感じるものです。
そうした目上の立場に対する片思いの場合、自分の気持ちが本当の恋心なのか、あるいはただの憧れの気持ちなのか、見極める必要があります。
もし相手がただ「憧れの存在」である場合、交流を重ねていくうちに必ずガッカリするタイミングが出てきます。相手も人間なので、いつでも自分の理想通りでいてくれるとは限りません。
そこで恋心が覚めるようなら、その気持ちは忘れ去ってしまいましょう。恋愛は相手の欠点も含めて丸ごと好きになれないなら、たとえ付き合ったとしても長続きしないものです。
また、目上の人、というと年上の場合がほとんどだと思われますが、相手が既婚者かどうかについては早めに確かめてください。
自分の恋心が、後戻りできないくらいに大きくなってしまったタイミングで、相手にすでにパートナーがいるとわかれば、どんな気持ちになるか想像がつくでしょう。
不倫は自分だけでなく、相手も周囲の人も落胆させるもの。冷静に、やっていいことと悪いことを考え、時には大人として恋を諦めるという選択肢も持っていてください。
開き直るのもあり
片思いの相手に対し、憧れの気持ちが強いという場合には、あえて開き直って好意を伝えてしまうのもありです。
流石に真面目な雰囲気で「好きです」と伝えるのは違いますが、「尊敬しています」「〇〇さんの仕事が本当に好きです」など、仕事ぶりに対する褒め言葉はいつ伝えても良いものでしょう。
目上の人に対する「ヨイショ」と思われるくらいでちょうどいいかもしれません。そうすれば、「自分の気持ちを隠さなきゃ」というウジウジしたネガティブな気持ちになることなく、楽しく明るく片思いができます。
とはいえ、それは「諦め半分」の時に限ります。本心から相手のことが好きでしょうがないというときには、「好き」という言葉には気持ちが乗り、場合によっては重く受け止められるかも。
こちらの好意を爽やかに受け取ってもらうためには、さっぱりとした気持ちを持っているべき。性的欲求を含めた愛情は、一方的に押し付けられるとただ気持ち悪いだけです。
自分の恋心が重く感じる時には、やはり仕事中は気持ちを封印しておきましょう。
嫉妬のアンガーマネジメント
片思い中、相手に他の異性が近づいてきた時には、気が気じゃないですよね。相手がフリーの状態で片想いをするのは、それなりに楽しい面もありますが、他の異性の気配があると途端にストレスが溜まってしまいます。
しかし、仕事中に嫉妬の感情に支配されては、業務に集中できません。嫉妬の感情を向ける相手に冷たくしたり、嫌がらせをするなんてことは言語道断です。
自分の個人的感情で、それがなければうまくいくはずの仕事をダメにしたり、周りの人間関係を悪化させてはいけません。片思い中には、ある程度嫉妬の感情をコントロールする必要があります。
他の異性の社員が片思いの相手と仲良く話しているのを見かけた時など、イライラするタイミングでいかに気持ちを落ち着かせられるかが試されるのです。
嫉妬の感情をむき出しにすれば、自分の予想外のタイミングで片思いの気持ちがバレます。恋愛を成就させたい時には、あまり嬉しくないハプニングになるでしょう。
逆に、職場外での恋愛のように、相手に他の異性が近寄っていてもわからないということがないのが、職場内恋愛のメリットでもあります。他にどれくらいライバルがいるのか把握できるので、その相手に負けないように自分磨きをすることもできるでしょう。
いつでも平常心でいてこそ、好きな人の前で魅力的な人として立ち振る舞うことができます。気持ちのコントロールは、いつでもできるようになってください。
外堀から埋めていく?
もし片思いの相手に他の異性を近寄らせたくなければ、相手の人間関係の「外堀から埋めていく」という古典的な方法を試してみましょう。
具体的には、片思いの相手と仲のいい友達を味方につけるということ。近しい友達に応援してもらうことで、他の「馬の骨」を排斥できるかもしれません。
友達の力を借りることができれば、プライベートの飲み会や食事に誘ってもらったり、片思いの相手と距離を縮める機会も増えます。
うまくいけば、ひとりであれこれ相手と仲良くなる方法を考えるよりも、恋を叶える時間もグッと短縮できるということ。
そんな味方を得るためにはどうすればいいのかといえば、自分が「誰と付き合っても幸せにできる魅力的で良い人間」でいることです。仕事を真面目にこなし、人付き合いもうまくこなせる「良い奴」になるのが理想的。
逆に、噂話やいじめ、気に入らない相手には冷たく当たるなど、仕事場の人間関係を悪くさせるようなことをする「嫌な奴」には誰も自分の大事な友達を紹介したくないはずです。
ポジティブで、明るく楽しく、正しい人でいることを心がけましょう。好きな人の友達の協力を得られるかどうかは、この点にかかっています。
無意識のセクハラにご注意
恋をするのは素敵なことですが、あくまでもそれは自分目線でのこと。自分が恋をする相手も同じような気持ちを抱いているかどうかは、わからないはず。
人の気持ちはわからないものですし、コントロールできないもの。相手によっては、誰かに恋心を向けられているというだけで、よく思わない可能性もあります。
その恋心が、ただ「気になる、仲良くなりたい」というピュアな気持ちなら、相手も悪い気がしないかもしれません。しかし、「セックスしたい」といったような性的な気持ちを他人から向けられることは、思った以上に気分が悪いものだったりします。
職場恋愛において、そういった自分の恋愛感情を表現することが、最悪な結果を生むことも。それがどういうことかというと、相手への「セクハラ」をしてしまうということです。
片思いの相手に近づこうとして、「恋愛指南」でよくあるボディタッチなどを職場ですれば、それは完璧にセクハラといえるもの。立場を利用して相手と二人きりの状況を作るなども最低です。また、男女どちらへ対してでも関係なくセクハラは成立します。
会社は恋愛をする場所ではありません。自分の部下や後輩も、自分の気分を良くしてくれる存在ではありません。
仕事中には、相手と近づきたい気持ちを抑えなければ、自分の立場も危うくするかも。相手の気分も害することになり、結果として何もかも台無しにしてしまうのもあり得ます。
職場恋愛を前に進められるのは、仕事中ではなく勤務後や仕事外の時間です。頑張って誘っても、相手がプライベートで会ってくれないという場合は、相手はこちらに気がないのだと考えて諦めるか、相手の気分を害さない程度に距離を置きつつ、見直してもらえるよう努力しましょう。
気遣いを本気で受け取らないこと
職場で相手がこちらに好意的に接するのは、「自分のことを好きだから」とは考えないようにしてください。
セクハラ問題の多くは、上司と部下の関係で起こりがちです。
なぜかといえば、まず上司が目上の立場であることを利用し、部下や後輩など目下の立場に付き合いを強要することがあること。そして、目下の人が、職場で不利な立場になることを案じて、目上の人に逆らえないから。
つまりは、上司が権力を利用すれば、部下や後輩は言うことを聞かざるを得ないという力関係により、パワハラ、セクハラが起こりやすいのです。
もし自分が後輩や部下に気持ちを抱いているとき、相手と距離を縮めるために「上司/先輩命令」をすれば、セクハラ問題として人事や社長に呼び出されるのは時間の問題でしょう。
たとえ相手は嫌だと思っていても、立場が弱いため断れないかもしれません。もし会社の部下や後輩に恋をした場合は、職場の風紀だけでなく、相手の立場も配慮してください。
また、下の立場からの気遣いは好意だと思わないように。上司だから気遣っているのであって、恋愛対象として好かれているとは限りません。自分が社内でそれなりの地位である時には、より分別を持つようにしましょう。
もし恋の相手との年齢差が一回り以上離れている場合は、職場恋愛以前の問題です。あまり若い子に執着すると、それだけで周りからの評判は落ちるので、そこも分別を持ってください。
そもそも職場内で出会い探しをしない方がいい
職場は出会いのきっかけが多くある場所ではありますが、会社によっては社内恋愛は色々とリスクがあるものです。
職場内の人間関係トラブルがなく、仕事に集中して毎日つつがなく過ごすには、職場恋愛はしないほうがいいのかもしれません。
恋人と仕事中でも常に顔を合わせているという状態は、嬉しいこともありますが、ストレスにもなるもの。親兄弟、親友ともある程度距離感が空いてこそ関係がうまくいく、ということもありますよね。恋人同士でも同じことです。
それに、恋人を探すために就職したのではありませんよね。社内のネタなども、職場恋愛の恋人には話しづらいこともあるでしょう。
偶然職場で出会った人が運命の人だった、ということならまだしも、自らすすんで職場内で出会いを求めないようにしてください。それが、対人トラブルやセクハラ問題を回避する一番の方法になるでしょう。
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