交際経験がない人は、20代から30代前半の女性で3割強、男性は4割近くにも及ぶことが2021年の国立社会保障・人口問題研究所の調査で明らかになっています。
参照:第16回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)|国立社会保障・人口問題研究所
つまりは、たとえアラサーでも恋愛経験がない人は10人中3人以上はいるということ。少数派ではありますが、「異常」というほどの事態ではありません。
世間ではいかにモテるか、いかに出会えるか、という恋愛の話題で盛り上がることがありますが、恋愛経験がない人はそういった話題に入りにくいですし、「いい歳してまだ彼氏や彼女がいない」と劣等感を感じ、自分を恥じることもあるでしょう。
しかし、少子化社会とはいえ「産めよ増やせよ」の時代ではありません。「結婚をしない」「子供を持たない」という選択肢も、都会的な価値観のなかでは受け入れられ始めています。
恋愛をすることは義務ではないのです。加えて「経験人数が多ければ良い」という理屈もありません。むしろ性感染症や望まない妊娠のリスクを高めるだけです。
この記事では、恋愛経験がないことを恥ずかしいと思っている方に向けて、なぜ自分は恋愛をしてこなかったのか、またこれから恋愛においてどうしていきたいのか、ということを一緒に探っていきます。
恋愛経験がない理由を深掘りしてみよう

まずは、どうしてあなたがこれまで恋愛経験のないままでいるのか、その理由についてあらためて明らかにしましょう。そうすることで、これから自分の恋愛についてどうしたいかがわかるでしょう。
恋愛経験の有無の良し悪しは、「恋愛したいけど何らかの理由でできなかった」ことと「そもそも恋愛というものがよく分からないし興味もない」ことで大きく意味が異なります。
恋愛をしたいと思っているのにできなかったとしたら、なぜできなかったのかという理由を掘り下げることで活路が見出せるでしょう。
逆に、恋愛に興味がない場合は、世間や身の周りの人に対する自分の身の振り方がわからないのではないでしょうか。
一般的に、人は「誰かと恋に落ちて、いずれ結婚して家庭を持ち、子どもをもうける」という流れが「普通」のように思われていますが、人の人生の歩みがその流れに沿わなかったところで大した問題ではありません。
むしろ、自分の本当の気持ちを無視して無理やりステレオタイプな人生に落とし込んでしまうと、本心と建前の摩擦が大きくなったときにメンタルを崩してしまいます。
気分よく自分の人生を生きるためには、まず誰の意見も真に受けずに自分の心を見つめ直し、素直な気持ちを自覚することが大事です。
では、これまで交際相手がいなかったことについて、あらゆる方面から理由を探ってみましょう。
恋愛よりも頑張ってきたことがある
恋愛経験がない理由にはあらゆる理由が思い浮かべることができますが、まずは「今までがむしゃらに努力してきたことがあり、恋愛をする暇がなかった」という可能性について考えてみましょう。
小さな頃から夢や目標があり、脇目も振らず真っ直ぐ頑張ってきた人は、努力が実を結ぶまでは恋愛や遊びをする余裕がなかった場合があるでしょう。
それが自分の意思で突き進んできたか、両親や家族の意思を汲んで従ってきたかでも状況が分かれますが、いずれにせよ今この記事を読んでいるということは、努力が一段落したということではないでしょうか。
叶えたかったことが実現して、ふと心に余裕が生まれたとき、「そういえば一度も恋をしたことがなかったな」と気が付いたり、「ずっと恋愛したかったし、もう許されるはず」とあらためて恋愛に興味を持ちはじめることもあるでしょう。
やるべきことのために努力をしてきた人が、恋愛経験がないことを恥じる必要は全くありません。むしろ、集中を切らさずに真っ直ぐ歩んできたことは褒められるべきことです。
ひたむきな努力は美徳ですし、結果を出すまで頑張ったという姿勢は、今後の恋愛経験の上でもプラスに働きます。何もコンプレックスに考える必要はないでしょう。
人生成功するのはこのタイプ
ときに、倍率の高い大学や学部にせっかく入学できたのに、恋愛のせいで貴重な学生時代を台無しにしてしまう人がいます。
20代の大学生は恋愛盛りということもあり、恋に夢中になってしまうのも珍しいことではありません。しかし、好きな人にのめり込むあまり、学業をおろそかにしてしまうと問題ですよね。
世の中には器用な、学業と恋愛を両立させられる人ばかりではないのです。現代では大学の学費も非常に高額ですし、4年間という限られた時間の中でどれだけ知識や技術を得られるかがかかっています。
そこで、学業に専念してきた人と、恋愛に真剣になりすぎるあまり学業を放り出してしまった人と、将来どちらが成功すると思われるでしょうか。
もちろん前者ですよね。経験値は学校の成績だけでは測れないとはいえ、大学生活を好きな男や女を追いかけ回して終わる人と、しっかり学問に励んできた人とでは、卒業時のポテンシャルも大違いです。
キャンパスライフや学生恋愛を満喫することは誰もが憧れることかと思われますが、恋愛は自分の目標を失ってまでする価値はありません。
恋愛も、付き合う2人がそれぞれ自立していなければ対等な関係は成り立たないもの。大学で努力して、望んだ職業で成功できたなら、恋愛も良い出会いがあれば実を結ぶことでしょう。
恋愛に興味がなかった
恋愛経験がないのは、「恋愛自体に興味がない」という心理的な理由も考えられます。
この場合、自分が周りと同じように恋愛ができない理由が、誰に対しても恋心を感じられない、友情以上に特別な感情がない、という漠然とした悩みをまずは持っているのかもしれません。
これまでに恋愛経験がないことへの様々な理由へ分岐する悩みでもあり、ヘテロセクシャル(異性愛者)ではない可能性も含んでいるでしょう。
ただ、もし、そもそも今まで誰かに恋することができなかったとしても、今後誰かを特別に好きになる可能性もあります。周りに合わせたり、期待に応えようと無理をして恋をする必要もなく、ただ自分の心の風向きに任せていても良いのではないでしょうか。
しかし、恋心だけでなく、他の趣味や物事に対しても一歳興味がわかない、楽しめないという場合は、恋愛に興味がないのではなく、精神が鬱状態になってしまっているとも考えられます。
ストレスや精神的な疲れは、肉体的な症状が出るまで自覚できないこともあるので、もし恋だけでなく何に対しても興味ややる気が湧かない時は、精神科や心療内科などの専門機関に相談することも視野に入れておいてください。
アセクシュアル(Aセクシャル)とは
人のことを家族や友人として愛することができても、恋愛感情がない、また性的欲求が湧くことがないという場合、あなたは「アセクシュアル/Aセクシャル」であるかもしれません。
アセクシュアル、またはAセクシャル(エイセクシュアル)とは、LGBTQ+といわれるセクシャルマイノリティのひとつです。日本では「アセクシュアル」という言葉が最も知られていますが、実際はアセクシュアルとアロマンティック、ノンセクシュアルで異なる意味を持っています。
- アセクシュアル
- 他者に性的欲求を感じない
- アロマンティック
- 他者に恋愛感情を抱かない
- ノンセクシュアル
- 他者に恋愛感情は抱くが、性的魅力は感じない
- アロマンティック・アセクシュアル
- 他者に性的欲求も恋愛感情も抱かない
参照:アセクシュアル(Aセクシュアル・エイセクシュアル)とは?【恋愛はしない?】 | LGBT就活・転職活動サイト「JobRainbow」
もしあなたがこれまで恋愛をしたことがない理由に、恋愛に興味がない、または恋をしたことがない場合は、上記のいずれかのセクシュアリティに当てはまる可能性があります。
アセクシュアルは人口の1%といわれ、非常に珍しい上に、「あえて恋愛感情や性的欲求を抱かないようにする」とも異なるので、もし自分で「アセクシュアルかも」と感じても、実は違って恋をするタイミングや相手がないだけだった、という場合もあり得ます。
また、これらのセクシュアリティでも結婚願望を持つ人もいますし、他者に恋愛や性欲に関わらない愛情を抱くこともできます。
もしも自分が当てはまるかもと感じても、焦ったり早合点せず、まずは自分の心と対面する時間を持ってみてはいかがでしょうか。
好みのタイプが現れない
これまで恋愛経験がなかったのは、好みの相手が現れなかったから、という理由もあり得るでしょう。
映画やドラマ、漫画、アニメなどのキャラクターにはハマっても、現実の人間に興味が持てないという場合もありそうです。
年齢が若いほど、また交友関係が少ないほど、このパターンに当てはまる人は多いのではないでしょうか。男子校や女子校出身の学生などは、異性と知り合う機会も少ないですから、異性愛者なら恋愛に発展するような関係性がないのも当たり前です。
好みのタイプが現れなかったから、これまで恋愛をしてこなかったという場合は、社会人になり自分で自由に出会い探しができる年齢まで待つか、自分で積極的にタイプの人がいそうな環境に属してみましょう。
まずは「好みの人物像」を想像してみて(現実にあり得る人物像にしましょう)ください。理想は控えめであるほど人と恋愛に発展する可能性は高くなります。それから、出会い探しをしてみましょう。
理想が高すぎる?
好きな人ができないのは、恋人に対する理想が高すぎるという場合もあります。
「恋人の条件」というのは、少ないほど恋愛のチャンスは大きいのです。
たとえば「身長はXXcm、体型は引き締まっていて、顔が整っていて、高学歴で、高収入で…」と条件を追加していけばいくほど、該当する人が絞り込まれて少なくなっていきますよね。
しかし、恋愛は一方通行の感情でするのではなく、好きになった相手も自分を好きになってもらわないと成立しないもの。恋人の条件を絞り込むほど、自分が相手のタイプに当てはまる可能性も低くなっていくのです。
それに、恋人に完璧さを求めるほど、自分もそれに釣り合うスペックを持っていないと筋が通りません。結局は、自分と同じかそれ以下のレベルでも許容範囲内にできる人の方が、恋愛のチャンスは多くなります。
自信があるのはいいことですが、過信は禁物です。また、自分に持っていないものを他人に求めすぎるのは、自分の首を絞めることでもあるということ。もしも恋人に求める要素が多い人は、少し妥協をすることも考えてみてください。
恋愛をする心の余裕がない
生活環境がストレスに満ちている場合、恋愛をしようという気持ちもなくなってしまうかもしれません。
恋愛感情と性欲とは、少なからず結びついているもの。性欲は男女とも、ストレスや抑うつを原因として減退してしまうことがあり、女性の場合は「性欲減退障害」、男性の場合は「心因性(機能性)ED」としてその症状が現れます。
参照:
男性の性欲がない原因は?対処法などについて解説します
性欲減退障害 – 22. 女性の健康上の問題 – MSDマニュアル家庭版
現在の住居環境、学校や職場の環境、人間関係など、毎日の中で消化しきれないストレスを受けている場合は、上記のような性欲減退があるかもしれません。すると、恋愛をするような心の余裕も生まれないでしょう。
ストレスが肉体的な症状として現れるのは、精神が限界を迎えている赤信号です。まずは心療内科に相談に行き、今の自分の状態を客観的に見てもらうことをおすすめします。
今の環境から逃れること
家族と同居している未成年の人にとって、もしストレスがその家庭環境に原因がある場合でも、今すぐその環境から逃れるのはとても困難なことかと思われます。
現在の現行法では、残念ながら未成年が両親から距離を置くことは難しいかもしれません。たとえ虐待の事実があっても、法の不備や周囲の理解のなさから、助けを得られない場合もあります。
しかし、成人さえすれば、両親でも連れ戻す権利は無くなります。万が一肉体的、精神的暴力を受けている場合は、警察に被害届を出し、役所に相談することで戸籍の閲覧制限や分離が可能です。
参照:毒親と絶縁・親子の縁を切るための手続きとは – 弁護士法人S&Nパートナーズ法律会計事務所
いずれにせよ、周りの信頼できる人や機関に相談し、自分の味方を増やしましょう。周囲にいなければ、インターネット上で助けを探すこともできます。
周囲の環境からくるストレスは、その環境から脱しない限り根本的な解決は困難です。もしストレス過多で恋愛をする余裕がない場合は、専門の機関に相談するほか、転職、引越し、転校、転科、人間関係の縁を切るなど、無理のない範囲で環境を変えることも視野に入れておきましょう。
恋愛経験がないって異常?
この記事を読んでいる方の中には、自分に恋愛経験がないことが異常なのではないか、と不安に思っている方もいるでしょう。
自分に周りの人と違うところがあると、病気や発達障害なのではないか、と心配になることがあるかもしれません。しかし「平均値」という値は、常に変動しています。その時代や国、地域、学校などの環境ひとつでも異なるものです。
よって、今の環境の中で自分が平均値から外れていたとしても、別の環境では自分が「普通」で、周りの人が「異常」になる場合もあります。
マジョリティ(多数派)とマイノリティ(少数派)の境目は常に揺れ動いていますし、認識が変われば一気に覆されることもあります。
もし、誰かに「恋愛したことないの?それって変だね」などの批判をされたとしたら、そう言った人の認知が狭いだけ。あなたの環境ではその年齢で恋愛経験があることが当たり前だとしても、そうではない環境もあるのです。
そもそも、他人の恋愛経験についてとやかく言うことはデリカシーに欠けています。プライベートなことに無遠慮に首を突っ込みたがる人とは、距離を置きましょう。
恥ずかしいことではない
恋愛経験がないことは、時には人の目に物珍しく映ることがあります。
親戚や友達に「結婚しないの?」「付き合ってる人いないの?」と詰められて肩身の狭い思いをすることもあるかもしれません。
文芸や音楽など、世界中のあらゆる文化の上で恋物語が語られてきたこともあり、「人は恋をするものだ」という意識は当たり前のように思われています。恋よりも他のことへの興味の比重が大きい人にとっては、理解に苦しいことでしょう。
しかし、近年ではセクシュアルマイノリティに注目が集まっていることもあり、「恋愛の形は人それぞれである」と認識されてきたように思われます。
それも同性愛だけでなく、恋をしないこと、結婚をしないこと、子供を持たないことなど、人生設計の選択肢について、特に欧米のリベラル派閥では寛容です。
反対に、後進的な田舎の地域ほど、狭苦しい人間関係の中で、他人の恋愛をはじめ人生に口を出したがる人は多い傾向にあるでしょう。そのような環境にいると、恋愛経験がないことを恥ずかしく感じるのも当然かもしれません。
つまりは、都会へ行けばもっと他人のことに寛容な(もとい他人に興味のない)人が多いので、気が楽になる可能性もあります。都会もそのような爽やかな環境ばかりでないことも確かですが、少なくとも1人の人間にスポットライトを当て続けるほど人々は暇ではありません。
自分の恋愛の選択肢について恥と思えてしまうような環境から、一度出てみましょう。環境を変えることで、気持ちが救われることもあるはずです。
これからどうしたい?恋愛のメリットとデメリット

ここからは、今後恋愛をしたいか、したくないかの希望通りに人生を気分よく進めるには、どうすればいいかを考えていきます。
これから恋愛をしたいと思う人は、どんな恋愛が理想的なのか、まずは現実的なヴィジョンを固めてみましょう。
理想の相手像と、それに沿った出会いの場所を具体的に決めることで、行動に移しやすくなります。
また、自分自身がどんな人間なのか、見つめ直してみることも大切です。恋愛をしたいか、したくないかに関わらず、セクシュアリティを言語化できればこの先の人間関係が楽になるかもしれません。
では、まずは「どんな恋愛がしたいか」ということ、また「結婚」についても改めて想像してみましょう。
どんな恋愛がしたいか考える
恋愛に興味はあるけど、今までチャンスがなくて恋人ができなかった場合。これからどんな恋をしたいでしょうか?
映画やドラマのような運命の恋を待っている、という人もいるかもしれません。しかし、運命とは自分で作るものです。待っているだけでは今の状況は変わりません。
ドラマチックな駆け引きのある恋愛か、それとも結婚を前提とした堅実な恋愛か、どんな恋愛が自分に合っているでしょうか。まずは「どんな人と付き合いたいか」を考えてみましょう。
「恋愛そのものを経験してみたい」と思う場合、恋愛に慣れているスマートな相手に惹かれるかもしれません。「レディーファースト」のできる男性や、「男の立場を立てる」ことのできる女性など。そういったモテるタイプが好みの場合、紆余曲折ある交際になるでしょう。
「支え合うパートナーが欲しい」と思う場合は、なかなか正しい交際相手に巡り合うのも難しいかも。「この人こそが」と思う人に出会えるまで何年もかかる場合もありますし、「運命だ」と思った恋がやぶれてしまうこともあります。
そのほかにも、心の恋愛、体の恋愛、色々とあります。どのような道を選ぶとしても、自分の心に正直でいてください。
結婚に恋愛は必要か
結婚相手のことを「パートナー」と言い表すことがあります。男女の性別を特定しない上に「相棒」のような響きがあり、「夫婦」よりも好んで使われることがあります。
ここでも「結婚」を「恋愛の延長上」ではなく「パートナーを得ること」という定義だと捉えると、「恋愛ができない/しない」ことが必ずしも「結婚できない」ことには繋がりません。
法的に可能なら、最も親しい友達と共同生活を送るために、恋愛関係ではなくとも籍を入れる「友情結婚」という選択肢もありますし、法律上で結婚をしなくとも一緒に暮らしていくパートナーを得ることもできます。
そもそも、男女で恋愛結婚をした人が全て幸せな結婚生活を送るわけでもありませんし、ずっと恋人同士のイチャイチャ関係を維持できるわけでもありません。実際のところ結婚生活を幸せに送るには、性的関係を超えた友情や協力関係が不可欠です。
「人を愛する」ことに関しては、恋愛や友情も根本的には関係ないのかもしれませんね。
もしあなたがアセクシュアルで、恋愛を望まないとしても、お互いにこの先一緒に生きていきたいと思える相手がいたら、「パートナー関係」を結ぶこともできるでしょう。恋愛をしないという選択肢と、結婚をしない選択肢は必ずしも同じである必要はないのです。
出会いを探してみよう
この先恋愛をしたいと思うなら、出会い探しをしましょう。恋愛は出会いがないと始まりません。
現代では、成人した人ならマッチングアプリを使って出会い探しをするのが一般的となっています。家にいながら出会いが探せますし、どのアプリも毎年のように機能をアップデートしているので、理想の相手を見つけやすくなっています。
また、マッチングをしたらすぐに会わなければいけないというわけでもないので、しばらくはメッセージのやり取りだけで交流することも可能です。人見知りの人でも、ある程度は心地の良い距離感を保ちつつ、自分のペースで安心して好みの相手と話ができるでしょう。
もしネットの出会いに抵抗があるなら、街コンや合コンに参加するという手もあります。他には、趣味や仕事、学校の関わりの中でも出会いがありますし、人と知り合う機会の全てに出会いの可能性があると見て良いでしょう。
出会い探しには積極的であるほど、好みのタイプを見つけたり、好みのタイプと恋に発展する可能性も高まります。それに、交友関係を広げて友達が増えれば、友達の紹介で好みの相手と出会えるかもしれません。
あまり恋愛やセックスに飢えて、がっついている様子があると周りから引かれてしまうこともあるので、出会い探しは友達探しも兼ねましょう。
友達づくりも大事に
恋愛がしたい人も、恋愛に興味がない人も、良い友達を持つことはとても大切なこと。むしろ、恋人がいても友人がいなければ、喧嘩した時や万が一別れてしまった時などに相談する相手もいないので、交際中の小さなストレスも蓄積しやすくなります。
恋愛は人によって捉え方が様々で、心の交流が最も大事だと捉え、恋人と親友のような関係を築ける人もいれば、心の交流は肉体関係のオマケのように捉える人もいます。
あるいは、恋人に精神的または肉体的な暴力、いわゆるDVを行う人も。そういった不健全な恋愛関係を持ってしまっていても、相談する友達がいなければ客観的な意見ももらえないので、悪い恋人と別れるタイミングを逃すこともあるでしょう。
場合によっては、恋人や配偶者よりも友達がいることの恩恵を強く感じる瞬間もあるはずです。
恋愛が性と結びついた概念だと考えたとき、恋人関係はかなりつながりの薄い関係とも捉えられます。一方、友達とは「体の相性が悪いから別れる」「ドキドキしなくなったから別れる」というものはありませんよね。
気兼ねなく話せるような仲のいい友達は、大人になるほど貴重な存在になっていくものです。同時に、環境によっては、恋愛対象に当てはまる相手でも、性的対象とみなさずに接する節度ある大人も貴重になるといえるかもしれません。
出会い探しをしようと思った時には、良い友達ができることも期待し、会う人全てをまずは恋愛対象ではなく、友達として接することができる方が好印象です。友情関係も恋愛もうまくいくでしょう。
自分の性的嗜好を見つめ直す
これから恋愛をしたいと思う人も、やっぱり興味がないなと思う人も、恋愛をすることから離れていた時間が長いほど、一度自分の性的嗜好について見つめ直してみましょう。
まずは、恋愛として興味のある相手は、男性か、女性か、あるいはどちらでも良いのかなど、好きになる相手(性的に興味のある相手)がどんな人なのかを考えてみてください。
抱きしめられる、触れられる、好きと言われることに抵抗がなく、ドキドキした気持ちを感じられるのはどのような相手でしょうか。友情とは明らかに異なる感情が想像できるでしょう。
想像してみてもピンとこない場合は、恋愛がテーマのドラマや映画などを観ると参考になります。どのような人に感情移入ができ、誰にときめきを感じられるか、自分の心の動きに注目しながら観てみてください。
人によっては、異性より同性や男女両方に興味が湧くこともあります。それでも恋は恋です。
このように、恋心を感じられる人、付き合いたい人の特徴を改めて見つめ直すことで、自分の今後の恋愛に素直になれることもあるでしょう。
タイプの人を見極める
これから恋をしてみたいと思った時には、自分の性的嗜好だけでなく、タイプの人物像を想像してみましょう。いわば恋人に求める「条件」のことです。
どんな人と付き合いたいか、特徴をいくつか挙げておくことで、今後の出会い探しがしやすくなります。
身体的特徴でも、性格などの内面的な特徴でも構わないので、理想的な相手像を思いつく限り箇条書きにしてみましょう。
身体的特徴のタイプは、たとえば、相手の身長はどれくらいが魅力的に感じるか、など。人によっては、「手の指が長い女性に惹かれる」「肌が綺麗な男性が好き」という、細かなこだわりを持つ人もいます。
また、内面的な特徴では、「自分と同じ趣味や価値観を持っている」ことはどのような人においても仲良くなれる要素なので、恋愛の上でも重視する人は多いでしょう。加えて、活発なタイプか物静かなタイプのどちらが好きか、などが挙げられます。
これらのように自分の「タイプ」を言葉にしておくことで、友達に話せば好みの相手を紹介してもらえる可能性もありますし、話題にもなります。
ただ、あまり好みの相手のタイプをたくさん決めすぎると、出会いの可能性を下げてしまいます。結局は実際に相手と関わった時の「フィーリング」も影響するので、恋愛対象のタイプはあまり深く考えすぎず、参考程度に持っておくといいでしょう。
「試しに恋する」ことの危険性
恋愛経験について注意しておきたいことがあります。それは、「恋愛経験を積みたいから」という理由で、妥協で試しに誰かと付き合うということ。
「この人が好き」ではなく「この人でいいか」という感情で交際するのは、自分にとっても相手にとっても良い結果を生みません。
もしそれが初めての交際になったとしたら、ファーストキスをはじめ、恋愛における初めての経験を、本気で好きでもない相手で済ませてしまうことになるかもしれません。それは「自分を大切にしている」といえることでしょうか?
恋愛の経験値のなさに焦りを覚えるのは、自分を含めて周りの人たちが「処女/童貞はダサい」あるいは「経験豊富な方が大人でかっこいい」かのような価値観を持っているから、と考えられます。
しかし、焦って恋愛するといいことはありません。まず相手が本気でこちらを好きだった時に失礼ですし、いずれ深く傷つけてしまいます。そもそも、その歪んだ関係が長続きすることもないでしょう。
大人からすれば、恋愛経験がないからと焦って妥協する人の方が、時間がかかっても本気で好きな人と恋愛をする人の方が評価できます。自分を含め、人の心を真摯に理解していると捉えられますし、礼節も持っているからです。
他人の心をもてあそぶような行動は、社会人としても評価されないこと。「試しに恋愛経験を積んでみる」という行動は、最低でも相手とお互いの気持ちが一致していない限りは避けてください。
恋愛は自由でも善でもない
真面目な恋愛をすると、好きな相手が最も身近な人間になることで、相手と自分との考え方の差から、多くのことを学び取ることができます。
恋愛は快楽やドキドキだけではないということ。お互いの不完全な人となりを受け入れること、受け入れてもらうことを通して、自分1人では考えつかないようなものの見方や、価値観を知ることができるでしょう。
同時に、お互いの考えの差から、お互いを傷つけあうこともあります。どんなに愛し合っているとしても、他人であることは変わらないのです。しかし、その恋人という「他人」が身近な人になることで、他人の目線で物事を見られることで、人間的な成長につなげることができるといえます。
人がたびたび「恋愛を通して成長できる」というのは、このような理由があるからです。
しかし、上記のような成長があるのは、恋人とお互いに真面目に恋愛をしている時に限られます。もしも、浮気や不倫、二股のような不真面目な行動を取れば、どんな結末が待っているでしょうか?
相手のことを深く傷つけます。人を傷つけると、自分の社会的な評価も下がってしまいます。一時的な快楽に身を任せた結果、自分も相手も不愉快な思いをするのです。
たまに、恋愛に関わると倫理観が著しく低くなり、「好きになってしまったならそれが略奪愛でも仕方ない」「自分の“好き”の気持ちは尊いので、受け取らない相手がおかしい」というバグった考え方を持つ人がいます。
そのことから考えても、自分の「恋愛感情」を自由奔放にさせてはいけませんよね。全ての恋愛は「自由」でも「善行」でもなく、また時には恋愛感情は一方的に人を傷つけるだけの武器にもなるのです。
自分にとって「良い恋愛」がしたいと思うなら、好きな人含め周りの人に対する思いやりと正義を心掛けましょう。
将来やりたいこと、なりたい自分に正直に
恋人を作ることは、自分に身近な存在を作ることでもあります。時に恋人は友達や家族よりも自分をよく知る存在になるでしょう。
良い恋人と出会い、いずれ同棲や結婚をして一緒に暮らすようになれば、相手の人生の一部と自分の人生の一部が重なります。一緒に生きる相手は、自分の将来を決定づける要素のひとつともいえるでしょう。
つまりは、恋愛関係も自分の将来設計のひとつになり得るということ。自分と相手の夢や目標が食い違うことで別れる場合もあるかもしれませんが、協力していけたら恋人やパートナーは最も心強い味方となります。
とはいえ、「恋愛をしない」ことは個人の自由ですし、恋愛が「パートナー」を作る唯一の方法でもありません。「何歳までに恋愛しなければいけない」という決まりもありません。
また、恋愛の行方が全てハッピーエンドになるとも限らず、お互いの意見が割れれば破局も珍しくないことです。加えて、将来的なことは一切考えず、一時的にお互いの性欲を満たすだけ、という関係性も存在します。
どんな恋愛をするかは人により多種多様ですが、「恋愛の失敗」があるとすれば、それは自分の意志に沿わない恋愛をしてしまった時です。
妥協で相手を選んだり、相手と恋愛の目的が異なるなど、自分が欲しいと思う関係性が得られないと、後で必ず後悔します。
恋愛にかける熱量は人それぞれですが、それでも恋愛は人生の中心ではなく、一部でしかありません。それでも、恋愛は生活に大きな影響を及ぼします。自分の望む恋愛や人間関係に対して素直になることで、将来にもきちんと向かっていけるのではないでしょうか。
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