結婚とは、人生のターニングポイントであり、パートナーとふたりで新しい家族として歩んでいくこと。世の中のほとんどの人が思い描く結婚とは、幸せなイメージを持つものです。
しかし、実際に結婚を経験した人の中には、「結婚は失敗だった」「結婚したことに後悔しかない」と嘆く人も。幸せなはずの結婚が、なぜそのような不幸の象徴のようになってしまうのでしょうか。
「結婚は人生の墓場」という台詞もあることですし、結婚に関する現実は、どうやらハッピーなことばかりではないようです。
今回の記事では、「結婚にまつわる後悔」の話をします。今から自分たちの結婚生活をより良くしていくために、またこれから好きな人と結婚した後に後悔しないために、できる対処法を考えてみましょう。
結婚後のよくある後悔とは

まず、せっかく結婚したのに、なぜだか起こり得る後悔について、一般的な「あるある」を見てみましょう。つまりは、結婚の「デメリット」の部分を掘り下げるということですね。
最も良くある結婚後の後悔とは、最も多い離婚の原因である「性格や価値観の不一致」であることが考えられます。話が噛み合わない、金銭感覚が合わない、関係がマンネリしているなどの理由で、相手のことをいまいち好きじゃなくなってくる…という感覚でしょうか。
交際の時点で性格の一致、不一致には気が付くことができそうなものですが、出会って1ヶ月で電撃結婚、または遠距離恋愛の末に同棲を経験することなく結婚するなど、お互いの関係が深まる前に結婚に至ったカップルにはあり得ることです。
参照:第1回「誰もが気になる離婚原因。妻の1位はやっぱり…アレ!」 | 弁護士が教える パーフェクト離婚ガイド
結婚して毎日のように顔を合わせていると、お互いに相手の嫌な面や受け入れられないことも当然目の当たりにします。特に結婚してから同棲を始めるパターンだと、特に結婚後すぐのハネムーン期間に相手に落胆することもあるかもしれません。
ただ、インターネットの調査では、20代から60代の既婚の夫婦では、現在の結婚生活に満足している割合は8割ほどといわれています。
参照:幸せな結婚をしている人は交際何人目と結婚してる? 統計学的にはどうなの?! | 婚約指輪人気ブランドランキング
ほとんどの夫婦はお互い相性が良いと感じているようですが、だいたい2割ほどの夫婦は結婚生活に不満を感じているのです。
「性格の不一致」という理由だけでは、パートナーのどちらかによる一方的な離婚の申し立ては受理されません。暴力やモラハラのような決定的な「健全な結婚生活の破綻」の証拠がなければ、基本的にはお互いの合意がなければ離婚は成立しないということ。
そうすると、相手に対するモヤモヤする気持ちを抑えつつ、別れるという選択肢を持つこともできず、問題の解消法もなく、家庭の中でストレスを抱え続けた結果、夫婦の仲がよりこじれていく…という悪循環も生まれそうです。
お互いにDVのような「これ」といった大きなトラブルもなく、円満離婚ができそうもないなら、裁判のことも視野に入れつつ、今できることはお互いの関係を見つめ直すことのみ。子供がいる家庭なら、なおさら別れを選択することは厳しいでしょう。
また、結婚をすると独身で一人暮らし、または実家で家族と同居していた時と異なり、仕事や家事、育児を分担しなければいけません。現代の若い夫婦は共働きが一般的ですが、ジェンダーロールの偏った思想によっては、労働バランスがどちらか一方に極端に傾いてしまうことがあります。
仕事・家事・育児のバランスの悪化
今の時代、「専業主婦/主夫」というのはまれで、男性も女性も同じように働くのが一般的です。
経済の悪化もあり、昭和期のような「夫が外に出て働き家計を支え、妻は家事労働で家を守る」という分担では、夫の給料だけでは収入が十分ではないという理由のほか、女性の自立心の向上という面も影響し、時代の名残りとなっています。
とはいえ、日本は世界的にも男女平等とはいえない社会。2021年時点でも、ジェンダーギャップ指数は相変わらず下位争いの最中です。
参照:ジェンダーギャップ指数2021、日本は120位 G7最下位は変わらず低迷 | ハフポスト
女性も男性と同じかそれ以上努力し働いたとしても、男性と同等の賃金を得るのは困難であり、さらに雇用機会も女性というだけで不利であるケースも多く、非正規採用やフリーターであるというケースも稀ではありません。
そのため、男性より女性の方が給与が低いことは一般的な問題です。結婚した夫婦では、妻より夫の収入が高いことが現実。
しかし、給与に関係なく労働量は夫婦どちらも平等であることもしばしば。そして、夫婦の家庭内での諍いは、「家事労働の量」というトピックスにおいて必ずと言っていいほど起こります。
昭和期のように「女性が家事を担当するべきである」という考え方が、現代の男女共働きの社会でも通用すると考える男性が夫である場合、妻は大きなストレスを負うことになるのです。
たとえば、夫婦ともに朝9時から17時まで仕事に行くとします。ただ、妻だけに家事労働を任せるとなると、朝ごはんや弁当作り、買い出し、夕飯の調理や掃除、洗濯など全ての家事を含める場合、妻の1日の労働時間は簡単に12時間を超えてしまいます。
たとえば、それがもし毎日続いて、週7日ずっと、夫がビールを飲みながらテレビを見つつゆったり過ごしている間、妻だけがあくせく働かなければならないとしたら。
あなたが妻なら普通ブチギレますよね。それにもし、この状況にプラス妻のワンオペ育児が加わったら…。ゾッとします。もはや人権問題です。
もしも共働き夫婦のうち、どちらか一方が家事も育児も全く手伝わないとしたら、民法752条「夫婦は同居し、互いに協力し扶助しなければならない。」に抵触するとし、「悪意の遺棄」と見なされることで裁判離婚が成立する可能性があります。
参照:【家事育児をしない旦那】離婚はできる?慰謝料は?どの家庭も同じ? | 離婚準備の手続きと準備をどこよりも分かりやすく説明!
そのため、あまりにも夫婦のどちらか一方にだけ家庭内で負担が多すぎる場合には、別れる(というか逃げる)ことも選択肢に入れていいでしょう。
ただ、夫婦の問題はこのような極端なケースばかりではありませんよね。多くの場合は、「家事の分担を約束しても、結局やらない、または文句が多い、クオリティが低すぎる」という理由から喧嘩や不仲につながるのではないでしょうか。
2人はそれぞれの理由で疲れている
筆者も既婚者ですが、夫がややジェンダーロールにこだわる節があったため、同居しはじめてからしばらくは喧嘩が続きました。共働きですが、家事を手伝って欲しいということを頼むと大体「仕事で疲れているんだ」と言われ断られるというケース。ステレオタイプの家庭の問題ですね。
筆者はこの問題にあたって「私も働いているし、私だけ家事をすると労働時間がえらいことになる」「私だけ家事をやらなきゃいけないなら独身に戻ったほうがずっと幸せ」「家事を減らせるなら私ももっとお金を稼げる。私にあなたの担当の家事をやらせるならその分の賃金を払って」など、事実に基づく説明をもって根気強く立ち向かったおかげで夫も段々と理解し、協力してくれるようになりました。(バトルが白熱しても自分も夫も泣くまで喧嘩します)
夫婦が共働きである場合、肉体労働でもオフィスワークでも、どのような仕事の環境でも、仕事の後は疲れるものです。
そのため「仕事で疲れているから家事はしたくない」という理由は、共働きの環境では成り立たない言い訳。
しかし、それが男性の夫側から発した場合、妻が「私だって働いてて疲れてるよ」と言い返すと、「言い返された」という行為だけが夫の心理に引っかかり、売り言葉に買い言葉のくだらない喧嘩に発展するという「あるある夫婦喧嘩」が起こることがあります。
感情的になって、起こっている問題についての理論的な説明ができなくなると、ただの「言葉の殴り合い」になりがち。
男女間のクセやプライドの問題は人によりけりで、夫婦で過ごす時間が長くなるほどお互い慣れてコントロールできるようになるものですが、相手の癖に背を向けているといつまで経っても慣れることはありません。
夫婦お互い、相手の言葉に耳を傾ける根気強さが必要です。「譲れない」人同士だと、不仲が収束するのは遠い未来の話になってしまうでしょう。
男性にありがちな結婚後の後悔
では、続いて結婚後のよくある後悔の「性差」について紐解いてみましょう。
まず夫側、男性側によくある後悔の理由には、
- 家計、趣味の自由が減る
- 生活時間の自由が減る
- パートナーに高圧的な態度を取られる、プライドを傷つけられる
などが挙げられます。
はじめに「家計の自由が減る」というのは、具体的には「好きなときに、好きなことにお金を使えなくなる」ということ。
たとえば、「独身の頃は1/12量産型ザクを買って飾る自由があったのに、結婚したらパートナーがほんの小さいガンダムフィギュアも飾らせてくれない」という状況など。夫婦で趣味嗜好が異れば、家具の自由も制限されます。
広い家に自分だけの趣味のスペースがあったり、パートナーも同じ趣味、もしくは部屋に好きなものを好きなように飾ることを厭わないなら良いでしょう。しかし、違う人間が同じ家に住むとなると、お互いの趣味が否定される可能性は十分あり得ます。
家計を一緒にしていると、自分の好きなものを好きなだけ買うようなことはできなくなるでしょう。経済的に余裕があるなら良いですが、自分の趣味のために結婚相手の生活費まで制限させるような買い物は遠慮がなさすぎます。
そして「生活時間の自由が減る」とは、たとえば「男友達や同僚と毎日のように飲みに行けなくなる」など。友達付き合いの頻繁な人にとっては、毎日家に帰ってパートナーと食事を「取らないといけない」ようになるのは肩身が狭いかもしれません。
もしパートナーが炊事をしてくれている場合、急な飲み会の予定が入り、夕飯の支度が済んだ後に「今日は飲んで帰る」という連絡を入れたらどうなるでしょうか。パートナーがせっかく用意した夕飯が無駄になってしまいます。
急な接待など、拒否権のない理由なら許されるかもしれませんが、これは炊事を担当するパートナーが最も嫌がること。事前に連絡を入れてくれたら良いものの。急に飲みに誘う同僚や友達も、既婚者の家庭に対する配慮がなさすぎることも問題です。
あとは「パートナーに高圧的な態度を取られること」。あれこれ命令される、文句を言われるなど、男性の場合は他人から指図を受けることをとても嫌がりますよね。相手にとっては何気ないお願いだったりすることも、受け取り方によってはプライドを傷つけられる原因となってしまいます。
独身だった頃の「自由」とは
実は、これらの事情全ては男性だけに限らず、妻側もしがこれらのような制限を受けても平気そうにしているのは、ただ我慢しているか、結婚生活を楽しみたいと感じているだけです。
独身の自由がどういうものかをまとめると、「自分で稼いだお金を自分で好きなように使えて、誰に指図されることもなく自分の好きなタイミングで好きなことができる」ということ。
この自由をどうしても手放したくないというのなら、結婚や共同生活には向いていないのかもしれません。
家計を自分と相手と別々で管理し、通い婚にするなら良いかもしれませんが、そうなると子育ては難しくなり、お互いに恋する相手を独占するという以外に結婚のメリットはないでしょう。
結婚とは「パートナー」を持つということ。結婚相手は自分の世話役では決してないので、自分にはパートナーがいらないという場合には、生涯結婚しないという選択肢を持つこともできます。
自分には自由が必要だけど、パートナーの存在も必要だ、という場合には、生活リズムなどの自分の希望について、相手と真剣に話し合ってみましょう。
女性に重くのしかかる結婚後のステータス変化
2021年4月現在、日本の結婚制度はいまだに夫婦別姓がスタンダード。夫婦で苗字を分けたい場合は「事実婚(内縁関係)」という選択肢しかありません。
現在、この制度を変えようという努力もありますが、これまで結婚を選択した女性が、泣く泣く苗字を変更せざるを得なかったという事態は実際に起こってきたこと。
夫婦同性も女性だけが苗字を変えないといけないわけではないものの、夫側やその家族が「“婿入り”するのはあり得ない」と意思を曲げない場合は多く、妻側が苗字の変更を強いられるケースは後を経ちません。そのトラブルにより結婚を諦める人もいるほどです。
苗字を変えるというのは、「存在が変わる」くらいのレベルでストレスに感じる場合もあります。それほど苗字を変えることに抵抗がないとしても、パスポートをはじめ色々な書類の名前変更の手続きは全て無料サービスではなく、時間も手間もお金もかかるもの。
そして最も問題なのが、学術的な書類の名前について。現在、日本の学会や論文に掲載されている名前は固定であり、戸籍上で苗字を変更すれば、学術論文の実績がパアになってしまうのです。
女性が学術分野で実績を得ることには、女性差別というくだらない理由も含み、大きな障壁があります。それを乗り越えて得た実績が、結婚という本当は喜ばしい出来事で消えてしまうとはおおごとです。
大学関係者や学者の女性が事実婚を選択したり、夫が妻の苗字に合わせていることが多いのはそのため。キャリアを積んできた女性にとって、結婚は思っている以上に障害となり得るのです。
日本社会は女性を待ってくれない
また、社会が自分を見る目も変わります。たとえ「結婚はまだなの?」という周囲からの圧力を取り除けたとしても、今度は「お子さんの予定は?」というプレッシャーが待っているかもしれません。
就職活動に関しても、「産休を取る予定のある人は雇えない」と、既婚女性というだけで不採用になるケースもあります。そういうブラックな香りのする会社をふるい落とせるのはかえって良いのかもしれませんが、誰もが子供を持つ予定があるとは限らないのですから、なんとも失礼な話ですね。
日本社会はまだ、「女性」という「生き物」を一括りにして考えるところがあります。個々で人生の展望が異なる、自立した人間であるということを認めてくれないというケースは、残念ながらよく起こること。
たとえ男性と同じスタートラインに立っていたとしても、昇給や昇進のステップには男女の道が分かれている場合もあります。女性だけ理由もなく低収入を強いられることも、大変残念なことに「あるある」なのです。
父権的な社会では、女性の都合を考慮してくれることはあまりありません。愛する人との結婚も、これから女性である自分の身に起こり得る変化についてはよく下調べしておくことをお勧めします。
夫婦と実家の関係の悪化
結婚生活は、お互いに愛し合う性格の相性も抜群の夫婦二人きりだけなら、何の不満も生まれないでしょう。
なぜそこに問題が起こるのかといえば、お互いの実家との関係が悪いときです。
「嫁姑問題」は、テレビやメディアの刷り込みから一般的なように思えますが、実際のところそうした「意地悪な姑」によるハラスメントは15%にも満たない、珍しいもの。
参照:【アンケート】嫁姑問題は解決しない?理由は夫が対処してくれないから | ヨムーノ
お互いの家族と仲が良ければ、子育てを助けてもらえたり、困ったことがあっても相談できる身近な相手となれるので、義両親とも「家族」として、うまくやっていければ大きなメリットです。
ただ、相手の両親や家族に一方的に嫌われてしまっていたり、不仲である場合、結婚生活に大きなストレスをもたらすかもしれません。
義実家の人たちと、たとえ仲が悪くとも、人と適切な距離感を保つことができる礼儀があるならさほど大きな問題にはなりません。相性が悪い相手とは、お互いにあまり関わらないことで平和を保てるでしょう。
また、二世帯住宅で夫婦どちらかの親と同居することも、たとえ仲が悪くなくともストレスになり得ます。自分のパートナー家族とはいえ、よほど長い間関わりがないならほぼ他人です。
何か喧嘩などをしたときに、自分一人が孤立してしまうような状況は避けたいものですし、朝から晩まで気を遣う相手と一緒に暮らすというのは、ストレスでなんだか寿命が縮まってしまいそうです。
たとえパートナーからの同居の希望があったとしても、少なくとも、新婚の時くらいは相手の親との同居はやめてもらいましょう。
そもそも、介護の必要など余程の理由がない限り、結婚してからも親と同居したいというのは自立心に欠ける態度。未婚の状態で恋人がそういったことをつぶやいていたとしたら、結婚するかどうかよく考えた方が良さそうです。
相手の実家が「地雷」の場合
しかし、もし義両親がズケズケと自分たちの結婚生活に介入してくるような失礼な人たちであった場合は大変ですよね。
それでも夫婦お互いが味方してくれるのならまだマシかもしれませんが、もしマザコン、ファザコンなどで自分のパートナーより親の見方をするようなら、結婚生活は破綻してしまいます。
親とはいつまでも自分の子供を気にかけるものですが、3、40代にもなる大きな大人の子供を常にまるで赤ちゃんのように扱うような親の態度は問題です。
いわゆる「モンスターペアレンツ」「ヘリコプターペアレンツ」のように、子供の周囲で親がでしゃばるのは、子供の自立心に悪影響をもたらします。結婚相手とは、親から適度に離れた人である必要があるでしょう。
結婚相手の実家がまともかどうかによって、結婚生活は変わってきます。良心的な普通の家庭なら、子供の結婚生活は助けても邪魔をすることはありません。
相手の義実家がもし異常な家庭だとしたら、関わりを絶つほか解決策はないでしょう。パートナーが自分の味方をしてくれないなら、我慢をし続けるより早めに手を切ることをおすすめします。
結婚生活をよりよくするためにできること

結婚生活の中で起こり得る問題は、自分たち二人の問題のほか、外的要因も大きく影響します。
環境や家族の問題は、自分たち夫婦二人だけではどうにもならないかもしれませんが、夫婦お互いの意識の問題については、努力次第で解決することができるもの。
もしあなたの結婚生活がストレスに溢れたもので、その原因が夫婦二人やどちらかにあるとしたら、今からでもその関係を改善できるような方法を探ってみましょう。
人間関係を諦めるのはいつでも簡単ですが、結婚となると1日で終わらせることができるものではありません。自分たちの人間的な成長のためにも、お互いのためにできることについてアドバイスします。
「ありがとう」と「ごめんなさい」の大切さ
家族の間で「ありがとう」という感謝の言葉、また悪いことをしてしまった時の「ごめんなさい」という謝罪の言葉を交わすのは、とても大切なことです。
特に「ごめん」という言葉は、自分が故意に悪さをしていない時にも必要な言葉。些細なことでもすぐに謝ることができないと、相手を傷つけたり、関係の悪化につながります。
これらのような言葉は、いつでも相手のためにあります。相手のことを大切に思うなら、お礼も謝罪も、いつでも口に出して伝えましょう。
ただ、人によっては、意地っ張りだったり内弁慶だったりして、結婚相手や家族のような近しい人に素直な言葉を言えない人もいます。「ごめん」の短いたった一言も、プライドが邪魔をして言えないということもあるでしょう。
今までそうしたコミュニケーションが取れなかったとしたら、勇気を出してこれらの言葉を伝えられるだけでも大きな前進となります。「家族だから、身内だから言わなくていい」ではなく、身近な相手こそ、こうした言葉は一番に伝えられるようになってください。
喧嘩した際も、特に相手がどうしても先に折れたくないタイプだとわかっているなら、些細な喧嘩ならこちらが折れてあげましょう。謝罪はいつでも、した方が負けなのではなく、本当はちゃんと謝ることができる方が大人なのです。
他にも、ご飯を作ってくれた時は「美味しいね」と感想を伝えたり、相手が出かけたとき、帰った時の「いってらっしゃい」「お帰りなさい」など、毎日繰り返される言葉はたまに忘れがちになります。
言葉はたとえ単調な繰り返しだとしても、大切なもの。言葉遣いで夫婦の生活は大きく変わるので、もし普段面倒くさがってこれらの言葉をおそろかにしているなと感じているなら、意識して言葉を伝えてみましょう。
照れ臭くて普段は感謝を言葉にしにくい場合は、まずは記念日や誕生日などの特別な日から始めてみてはいかがでしょうか。
結婚生活は歩み寄りの連続である
結婚生活とは、自分の生活に相手という「異質」を取り込むことでもあります。
「自分と違うもの」を受け入れるのは、誰にとっても簡単なことではないのです。相手のことが大切で、尊敬しているからこそできること。
たとえば、毎朝遅く起きて仕事できる環境だったのに、結婚したら相手に合わせて早起きしないといけなくなる、など。こうした些細な変化でも、積み重なれば大きな「環境の変化」です。
もしも、それが受け入れ難いほどストレスを感じているのだとしたら、解決策について相手と相談しましょう。そして、もし自分が相手から「今の生活のこの部分がきつい」という相談を受けたら、どうしたら改善できるのか、一緒に考えてあげてください。
自分が嫌なことや、理解できないことも、受け入れたり新しく知ろうとすることが「歩み寄り」です。そして、大きすぎる問題ではない限り、歩み寄りは「相手を受け入れようとする、知ろうとする」ことだけでも十分だったりします。
完璧である必要はないのです。好きな人が「自分のことを分かろうとしてくれている」なら、それだけで十分嬉しいものではないでしょうか?
夫婦がお互い拒絶しあうことは絶対に避けたいものです。人は「自分の知らないもの、わからないもの」を避ける傾向にありますが、結婚相手に関しては、どんなことでも受け止める覚悟で付き合いましょう。
とはいえ、自分を傷つけるようなことは受け入れなくても大丈夫です。許せないことは明確にしておかないと自分の心が一方的にすり減ってしまうだけなので、ギブアンドテイクのバランス感覚もしっかり持っておくと良いでしょう。
「独身気分」を「ふたりで」続けよう
結婚生活において「自由」が減るということは、夫婦二人のどちらにとってもストレスになります。
結婚したからといって、お互いを縛りあってはストレスしか生みません。子供が生まれると親としての責任がありますが、まだ二人だけの場合はある程度お互いの自由は許容してあげましょう。
たとえば、一晩中ゲームしたり、スナックを食べ散らかしたり、インスタント食品を貪り食う、休日に昼過ぎまで布団に籠る、風呂上がりに裸で歩き回るなど。もちろん限度はありますが、これくらいのことは自分で後始末をするなら許してあげるべきです。
新婚カップルの中には、旦那さん、奥さんに対してキラキラした期待を持っている人もいるかもしれません。しかし、お互いの前でおならをしないだとか、いつでも身綺麗にしているとか、最初はできるかもしれませんが、だんだん生活をしていくうちにキツくなってくるはず。
同棲や結婚をすると、今まで相手の見えなかった部分も見ることになります。そして、それは綺麗なことばかりではないのです。人間ですから、おならやうんこもしますし、一日中ジャージで過ごし、顔も洗わずに過ごすこともあります。
そうした相手の人間臭いところもお互い受け入れられれば、二人で暮らしつつ「独身気分」をある程度続けられるでしょう。
結婚した男なら朝から晩まで働いて、休みの日にはデートにつれていかないといけない。妻なら毎日料理を作り、家事をしなければいけない。そうした固定観念が夫婦を縛りつけます。
好きなことを好きなときにすることを、お互い許可し合いましょう。インテリアなら、お互いのスペースを決めて好きに飾り付けできるようにしたり、お互い仕事がきついなら「○曜日はノー家事デー」にするなど、一緒にサボりましょう。
二人の家をリラックスして過ごせる環境にするのです。結婚した夫婦だからといって、気を張る必要はないので、お互いのだらしない部分を許し合い、カバーし合ってください。
もちろん散財のしすぎや不倫はNG
お互いのだらしないところを許すとはいえ、限度もあります。
たとえば、独身時代に一人暮らしをしていた頃、家をゴミ屋敷のような状態にしていたとしたら、流石に結婚して人と一緒に住む場合は改善する必要があるでしょう。
多少はだらけたとしても、家の清潔感を脅かすほどの自堕落はダメ。家事をサボったり散らかした後、後片付けをきちんとすることが、「自由」でいて良い条件です。
また、家計に余裕があるときに好きなものを買ったりするのはいいですが、余裕がないのにソシャゲに課金しまくるなどは絶対にしてはいけません。娯楽のために生活費に手をつけるのはNG。
そして最もしてはいけないことが「不倫」。「結婚しても独身みたいに自由に過ごそう」というのは、恋愛も自由にしていいわけではありません。お互いに性の自由を束縛しないと約束をしていないなら、浮気癖は結婚生活におけるタブーです。
お互いに対する不満があるなら、打ち明けるべき。結婚相手に性的魅力を感じなくなる理由は、自分にも責任があるかもしれないので、相手のせいにするのではなく、二人の問題として解決にあたりましょう。
子供を持つタイミングについて
二人だけの結婚生活は良かったのに、子供が生まれたら不仲になってしまうということは、割りにありがちなこと。もちろん子供の存在が悪いのではなく、子育てに慣れない大人たちの問題です。
子供を育てることは、勉強しないとできません。子供を授かったら、まず夫婦の両親から子育ての仕方を教わるほか、新しく子供を持つお母さんとお父さん向けに育児教室、親子教室が、都市部でいつでも開催されています。
新生児から乳幼児は特に放置しておくと命に関わりますから、子供の育て方を誰かから学ぶことは必要不可欠。家族全員で子供の世話について勉強しなければいけません。
子育てというのは大変忙しいものです。赤ちゃん一人だけだとしても、夫婦どちらか一人だけで面倒を見るのはまず無理だと考えてください。少なくとも保育園か、小学校に進学するまでの5、6年間は、夫婦二人でゆっくりする時間を持てるのは難しいと考えた方がいいでしょう。
もし同棲の経験もないまま結婚してすぐ子供を授かったとしたら、生まれるまでの間が夫婦二人きりでゆっくりできる短いハネムーン期間となります。その間に、お互いの生活のクセやリズム、趣味などを妥協していかなければいけません。
子供は可愛いとはいえ、子育ては労力が必要なので、夫婦どちらかが非協力的だと、高確率で相手の敵意を買います。結婚しているのに子育てがワンオペになってしまうと、夫婦が敵同士になってしまうというケースも、実はよくあることなのです。
そのため、理想的には子供を授かる前に夫婦二人で子育てについてしっかり話し合い、勉強をしておくこと。子供の養育費や学費の計画も立てて、子供のための部屋数に余裕のある、学校のある地域の家に引っ越します。
また、体にリスクを負いながら子供を産む母親の方は特に心的負担が大きく、出産後しばらくはうつ病にかかりやすくなります。パートナーや家族の助けがなければ命に関わるほどのストレスなので、妻側に子育てを任せきりには決してしないようにしてください。
「幸せ家族計画」
現代は医療が進歩しているとはいえ、母体は出産時に生命の危機を負うことになります。また、子供を授かる年齢として、子供を持つ希望があるなら35歳までには「妊活」をすることが推奨されているので、子供を持つタイミングについては夫婦でよく話し合いましょう。
子作りをすると決めたら、まず二人で産婦人科に相談に行くことで、不妊の可能性も調べることができ、早期から不妊治療にあたることができます。たとえもし夫婦どちらか、または二人に不妊症が発覚しても、治療すれば妊娠できる可能性や養子縁組も考え、どちらかが落ち込んでも励まし合ってください。
子供を持つ希望の有無が夫婦で一致することも、結婚生活に影響します。
家族の在り方は様々です。多数派からあぶれると好奇の目に晒されたり、噂話をされるなんてお里の知れた人々からのストレスも後を経ちませんが、自分たちの住む環境も移住などで変えることができます。自分たちにとって居心地の良い場所で家族を作りましょう。
また、子育てに関しては周りからの助けを必ず得てください。家族の協力はもちろん、友達やベビーシッター、相談室など、得られる助けはなんでも利用します。
親になることは、きっと幸せなことばかりではありません。また、可愛がるだけではなく、社会に出て人とちゃんと関われるように子供を教育する必要があります。
ただ、大変なことが多い分、家族が増える喜びもあるでしょうから、子育てが夫婦の諍いの原因になることのないよう、お互いを助け合いながら子育て計画を立ててみてください。
なんでも話し合えるカップルになれるように
夫婦の間で溝があるように感じるのは、お互いに相手の理解できない一面、またはパートナーである自分さえ踏み込めないところがあることに気がついたから、ではないでしょうか。
もしくは、相手に対して遠慮する気持ちが強く、ありのままの自分をさらけ出せないから、という場合もありますね。
相手の前で「理想の結婚相手」を演じていると、なかなか素直に自分の気持ちを伝えられないかもしれません。
自分一人きりで過ごしているようにリラックスした状態でなければ、家の中で生活すること自体がストレスになってしまいます。そのような生活が長く平和に続けられないのは明らか。
別段、相手の前で自分らしくないことをしているわけではないとしても、自分の考えや欲求、また相手にして欲しいことなど、素直に言えない場合も同様です。
相手といつも仲良くしていたいと願うあまり、相手の気持ちを優先しすぎて、自分の気持ちを押し込めてしまっていることはないでしょうか?その我慢も永久には続かないものですし、知らないうちに自分の自尊心をかなり傷つけてしまうことになります。
結婚相手には「本音」を伝えることが大切です。それがたとえ喧嘩の火種になるとしても、事実に変わりないことであり、そして問題点であるなら、溜めずにシェアした方が後々にも悪影響がありません。
自分の気持ちも、相手に対する意見も、お互い素直に話し合えるようにしましょう。もちろん、相手を傷つけるようなデリカシーのない言葉以外ですが。基本的には、プラスの方向に向く言葉を伝えてください。
細かい問題も放置しておかない
たとえば、パートナーの洗面所の使い方が好ましくないとします(顔を洗った後そこらじゅう水浸しのまま放置するなど)。
それを指摘すると相手の機嫌を損ねてしまうからといって、黙って自分が代わりに掃除をしてあげるということが続いていると、なんだか相手の召使いにでもなったような気持ちになるのではないでしょうか。
そしていつか喧嘩をしたときに、その話題と関係のない上記の相手の落ち度を持ち出してしまうなど、自分のストレスが「爆発」してしまったら。些細な喧嘩が雪だるま式に大きくなっていき、収集つかない事態になってしまうかも。
喧嘩の最中は誰もが頭に血が上って平常心ではないので、思考がどんどん大袈裟で悪い方向に向かいます。そうした悪いタイミングで相手の欠点を持ち出すより、気づいたときに伝える方が良いのです。
相手の生活態度の悪さを小出しにして指摘していると、相手から「毎日小言を言われる」など自分に対して悪い評価もつくかもしれませんが、その場合はただの相手の逆ギレなので、基本的には相手に成長してもらいましょう。
自分が潔癖症だとしたら、それを相手に押し付けるのはかえって相手のストレスになってしまうので、ある程度のだらしなさは許容してあげるとバランスが取れます。
また、相手が今までしなかったことが出来るようなったときには、ちゃんと褒めてあげましょう。人間大人でも得意不得意があり、一生何かを学んでいくものなので、まるで子供や犬の躾のように思えても「出来たら褒めてあげる」のは大事。
細かなことでも相手のことを認めてあげることで、お互いがかけがえのない存在としてより絆が強くなります。
パートナーに求められるのは「絶対にこの人は自分のことを拒絶しないで受け入れてくれる」という、いわば「最後の砦」であること。お互いの前では素直になれるよう、小さいことから努力をしていくことがおすすめです。
後悔のない結婚のために、結婚前からできること

ここからは、これから結婚を考えている人向けに、結婚したことを後悔しないよう、今からできる心構えやアドバイスについてお話ししていきます。
筆者も既婚者で夫と一緒に暮らしているので、相手と楽しく幸せに暮らせるよう、いくつか気をつけていることがあります。
以前、知人が言っていた言葉なのですが、「結婚した相手でもその人の全ては一生わからない。10年一緒にいても知らないことがたくさんある」というもの。愛のある言葉ではないでしょうか。
自分のことでさえ、自分でも知らないことは誰にでもあるはずです。他人から見えない自分の考えや個性も、結婚した相手だからといって全て知っているわけはありませんよね。この言葉からは、結婚して時間が経っていても、まだまだ相手に関心を向けようという前向きな気持ちを感じます。
結婚とは、全く異なる人間二人が一緒になると決めて、それから先の人生で、より時間をかけてお互いの芯のような部分に近づいていくものかもしれません。
人の本音や考え方などは、触れるとやけどをする(嫌な思いをする)ことも多々あるため、普通は友人や家族でも距離感を持つものですが、結婚したパートナーとの距離感とは、誰よりも近いもの。改めて、お互いに性格の相性が本当に良いのかどうか、後になってわかることもあるでしょう。
結婚してしばらくしてから、「お互い本当はあまり気が合わなかった、もうこの先も分かり合えないだろう」ということが発覚すると、ゆくゆくは離婚になってしまうこともあり得ます。そうした事態を避けるため、籍を入れる前にお互いの観察すべきところをより詳細に見直しておきたいところ。
では、結婚をする前に知っておくべき相手のことを掘り下げるためにはどうするべきなのか、いくつかアドバイスしていきます。
籍を入れる前に同棲をしておく
結婚して、相手と共同生活を始める前には、最低2、3ヶ月程度は「同棲」を経験することを強くおすすめします。
入籍してしまったら、後戻りができません。新婚生活のなかでもし相手に嫌気がさしても、決定的な欠点が発覚しても、別れれば「バツ」がついてしまうのです。
たとえば、実は借金があったとか、浮気相手がいるだとか、超絶マザコンだとか、一緒に住めば隠し通すことが難しいこともあります。それほど深刻な問題じゃないとしても、相手の生活態度で許せない部分が見つかる可能性もあるでしょう。
同棲をすれば、家事を一切手伝わないとか、生活費を払わないだとか、モラハラやDVの傾向にも注意することができます。相手の様子で「まだ遠慮してる部分があるな、まだ隠している部分があるな」と感じるときには、特に気をつけて相手を観察したいところ。
ここに、いくつか相手と結婚しても問題ないかどうか確かめるためのチェックリストを作ってみました。上から下の順に警戒度の高いものになっているので、現在同棲中やこれから同棲するときには参考にしてみてください。
- 腹を立てたときや酔っ払ったときに物を壊す、殴る、蹴る。怒ったときに大きな声で怒鳴る。セックスを強要される。侮辱をしてくる。動物を虐める。(DVの傾向)
- 定期的に泊まりに出かける。帰宅するとこちらを避けるようにし、すぐにシャワーを浴びにいく。スマホをこちらから庇うように使う。ホテルやプレゼントなどの疑わしいレシートが見つかる。(浮気の傾向)
- 毎月、こちらの知らない借金やカードローンの返済額の通知が届く。定期的に金を貸して欲しいと言われる。友達や知り合いにお金を借りる。
- 仕事に行かない。
- 酒癖が悪い。毎日酔うまで飲酒をする。嫌煙家の前でも気にせずタバコを吸う。(依存症の傾向)
- パチンコや競馬に出かける。毎月の給与を貯金せず使い切る。浪費癖がある。
- 掃除、炊事、洗濯などの家事を一切やらない。家事や育児は女の仕事、また男性は女性より偉いという意識がある。男女の違いにこだわる。また男性は女性に尽くさないといけないという強いこだわりがある。
- 気に入らないことがあると黙りこくって数日から長い間口をきかなくなる。自分の部屋から出てこなくなる。
- 「お前」と呼んでくる。命令口調になる。お願い事をすると怒る。
- 自分の親に合鍵を渡している。親が勝手に家に入ってくる。毎日親と電話する。何か決めるときいつも親に聞く。
- 限度を超えて浪費家である。また、貯金をしない。
これらは、DV、浮気、モラハラ、借金、酒癖の悪さ、マザコン・ファザコンなど、離婚の原因につながる要素の兆候です。何かひとつでも心当たりがある場合は、信頼できる家族や友人に相談するなど、第三者の意見を聞いてみるといいでしょう。
相手の耐え難い生活の「クセ」を見抜く
上記のような、結婚をやめるべき決定的な欠点がなくても、小さなことで「嫌だな」と思うことも見つかるかもしれません。
たとえば、清潔感について。トイレの使い方が汚い、ゴミや汚れを放置する、机に足を乗せる、ベッドや布団にダニがいる、汚れた食器を虫が集るまで放置する、埃まみれの部屋を掃除しない、など。
これらのような生活の中の「悪い癖」は、努力次第で改善させることができる可能性もあります。一緒に生活をしていく上で、身につけなくてはいけない生活力があるということを知ってもらわなければいけません。
また、お風呂上がりの時に全裸で家中歩き回る、テーブルに脚を乗せる、服を脱いだまま床に放置するなど、人によっては許せないような小さな癖も、同棲をしていれば見つかるでしょう。
特に気にならなければ細かなことは放っておいて良いですが、耐え難いことだけは改善してもらったほうが、後々ストレスになりません。
これらの指摘はラブラブな時期に注意をしておけば相手も素直に聞き入れてくれるかもしれないので、気づいたときにはすぐに指摘してください。
交際しているとき、ただ外に出かけてデートを重ねるだけでは、相手の生活態度までは見抜くことはできません。結婚した直後の何かと忙しい時に注意されるとイライラしてしまうこともあるので、同棲中の気持ちに余裕がある時が、お互いの生活態度のバランスを見直すチャンスなのです。
お互いの実家と交流を持つ
現代の都会の世の中で、結婚が「家同士の同盟」のようなものになることは、ほとんどありません。大抵は、夫婦二人同士のつながりです。
とはいえ、結婚すればお互いの家族と関わり合いになる機会は格段に増えます。行事ごとの帰省や旅行、子育てなど、あらゆる場面で交流をもったり、お互い助け合うことになるでしょう。
結婚相手の家族との相性も、結婚生活の良し悪しを左右する大切な要素。このことに関しても、結婚前から見極めておきたいところです。
結婚相手が実はマザコン・ファザコンだったり、相手の家族に、一人でも夫婦生活にやたら干渉してくるような人がいた場合、結婚生活に支障をきたします。
相手とその家族がどのような関係で、どのような家庭で、どのような人たちなのか。そのことをあらかじめ知ることで、結婚後の距離感や起こり得るトラブルも、回避できるかもしれません。
結婚相手の家族と顔合わせをするのは、日本だと婚約の後にするのが一般的ですが、それよりも前から交流は持っておくほうが良いでしょう。相手の家族のよそ行きの顔ではなく、「素」の顔を見ておくのです。
仲のいいカップルなら、相手の家族のイベントにお呼ばれすることもできるかも。自分の恋人が実家へ帰省する際にはついて行ってみたり、いつどんなタイミングでも、家族ぐるみの食事やバーベキューに誘ってみるのもいいでしょう。
恋人の家族と顔を合わせるのは緊張するかもしれませんが、結婚してから後悔するのでは遅いので、機会があれば勇気を出して積極的に関わってみましょう。
日本では婚約をすると入籍するまでさほど期間を空けませんが、一年ほど「婚約中」ということにして同棲やお互いの家族の交流をはかると、家族トラブルが起きてしまうような相性の悪さだったとしても、結婚後の立ち振る舞いもわかります。
相手の両親がいわゆる「毒親」と呼ばれてしまうようなタイプでも、入籍する前なら色々と打てる手もあるでしょう。逆に結婚相手がマザコンやファザコンでも、その両親はまともという場合もあるかもしれません。
相手とその両親との関係性を観察しよう
結婚相手とのトラブルでも厄介なのが、相手の両親との諍いですが、最も嫌な状況といえば、自分のパートナーがそのトラブルの中で自分の味方をしてくれないことです。
自立心のある大人なら、両親と精神的な距離感があり、もし自分のパートナーと両親の間で問題が起こった場合、冷静に仲裁してくれます。また、余程パートナーが親に対して失礼なことをしない限りは、自分が決めた家族であるパートナーの側に立ってくれるでしょう。
しかし、相手がその両親との絆があまりに強い場合、または支配的な家庭で育ち、両親に逆らえないというような場合には、こちらの味方をしてくれない可能性もあります。
相手方の家族とのトラブルがあったとき、自分のパートナーが自分を庇ってくれなければ、こちらは一方的にその一家の中では「悪者」扱いになってしまいます。そうなると、自分の味方をしてくれるのは自分の実家や友達だけです。
そのような状況は、相手との結婚生活の断絶を意味します。相手方の両親が、冷静に善悪の判断ができ、思いやりを持ってくれなければ、「距離をとる」以外に事態は解決しません。
よって、相手とその家族との関係性は、結婚する前にしっかり把握しておきましょう。
- 正義感があり、思いやりがある。理由をつけて犯罪的な行為を許容しない(〇〇だから仕方ない、など)。
- 子供の結婚相手を無条件で歓迎してくれる。理由もなしにいじめてこない。
- 物事を公平に考えることができ、感情主体で行動しない。
- 子供の自立心を応援し、子供に依存していない。
相手の両親の性質がこれらの点をクリアしていれば、パートナーの家族とも仲良くやっていけそうです。
また、相手の家族の家庭内での態度もあらかじめ知っておけたらなお良いでしょう。たとえばパートナーは普通でも、その家族がガチガチの亭主関白主義である場合、その様子に反発していなければ、自分たちの家庭もそのルールを適用する可能性があります。
往々にして、家庭内の男女の扱い方は、その中の個人の考え方に影響するのです。母親だけが家事をしている家庭では、そこで育った女性は家事ができても、男性は一切家事ができない、もしくはしたくないと考える人も出てきます。
相手の家族をよく知るべきなのは、このような理由からです。相手の家族の様子が、未来の自分の家庭像に影響するかもしれないので、結婚前に必ず相手の家族については伺っておきましょう。
お互いの人生観をよく話し合うこと
結婚は、人のこれからの人生の行き先を左右するものです。結婚をきっかけに転職したり、海外で暮らすことになる人もいます。
それがお互いの希望に合っていればいいのですが、もし結婚後の人生計画がどちらか一方の夢を叶わなくさせてしまうとしたら、大問題です。
たとえば、家庭を持ったら家で仕事をしつつ、ペットを飼ったり、家庭菜園をして定住したいと考えている人と、日本全国、また世界各地を移動し続ける仕事をしていて滅多に家に帰れないという人は、どうしても相性が良くありません。
また、夫婦でそれなりに安定した収入を稼いで、のんびりとたまに贅沢に暮らしたい人と、アーティストやミュージシャンの活動で収入の不安定な人とも、やはり均衡が取りずらいところがあります。
お互いに支えになれれば良いのですが、もし自分たちそれぞれの将来の希望が、結果的にどちらかの夢を潰してしまうようなものであると、いくらお互い愛し合っていても難しいものです。
結婚をきっかけに、相手の一生でやりたかったことを出来なくさせてしまうのは、とても残酷なことですよね。どちらか合わせられる側が柔軟に対応するしかないのですが、両方の自我が強いと、結婚は諦めざるを得ないこともあるかもしれません。
しかし、結婚した後に「実はどうしてもやりたかったことがあった」と打ち明けて結婚生活を壊すのも、良くないことです。
難しい人生を歩んでいる人たちが結婚する時には、何か自分たちの希望にぴったり合う条件の暮らし方を見つけたいところ。そのような計画も、早いうちから話し合っておいたほうがいいので、恋人同士の間に「人生でやりたいこと」についてはお互いによくよく掘り下げておきましょう。
やりたいことを阻まないように
結婚して、自分がやりたかったことをパートナーが応援して支えてくれるなら、それほど幸せなことはありません。その夢が困難であるほど、身近に味方がいてくれることには大きな意味があります。
しかし、逆にパートナーが夢を応援してくれず、別の道を強制してきた場合。それは「この人と別れるしか道はない」と思わせるようなものです。
また、たとえばもし、目的を持って貯金していたのを、パートナーが勝手に使ってしまったとしたら、きっと大喧嘩になるでしょう。人生を左右するようなものではなく、趣味のレベルのものだとしても、相手のしていることに勝手に干渉するのはとても悪いことです。
たまに聞くことですが、お互いの趣味嗜好に理解のないカップルの場合、相手のコレクションをくだらないと感じて勝手に売り払ったら、実はとある分野ではかなり希少な物品の数々だった、ということもあるようです。
結婚したからといって、相手の人生や相手のものを、自分のもののように扱ってはいけません。自分に理解できない分野なら尚更。価値がわからないからといって人のものを勝手に取り扱っては、相手を深く傷つけ、怒らせてしまいます。
結婚生活の後悔や、不仲なカップルは、お互いとの距離感が正しくないのかもしれません。心の距離感が遠すぎて、お互いのことがわからないままになったり、近すぎて触れてほしくないところや、デリカシーのないことを言ってしまったり。
まず、結婚する相手のその人自身やその人生、持ち物などは、私物化できないものと考えましょう。結婚は労働力を得るものでもなければ、自分の好きなように行動してくれるお人形を得ることでもありません。
親しき仲にも礼儀あり、持ちつ持たれつの関係性で初めて心地よい関係性が生まれます。これから結婚を考えている人は、意識のあり方にも注意してみてください。
夫婦お互いが世界一の「相棒」になるために
最高の結婚生活はどのようなものか、イメージしてみましょう。喧嘩をせず、お互い自由で毎日笑顔でいられて、苦難も支え合って乗り越え、いつでも平穏な日常に戻ってこれるような。
こうして幸せな結婚について思いを馳せていると、相手がいない時は特に、結婚相手の人格を無視しがちです。いつもニコニコして自分に尽くしてくれるような、とても都合の良いパートナーを想像してしまいます。
ですが、もちろん現実には、個性があり、意思があり、好き嫌いのある人間と結婚するわけです。そのため、自分の意見に反対されたり、思い通りに動いてくれる人と付き合うのは不可能というもの。
そこで駄々をこねるのは子供のすることであり、自立した大人同士なら、自分のことは自分一人で面倒をみられて当たり前で、お互い補完的に相手の苦手なところをカバーし合うのが理想的。
とはいえ、完璧ではあり得ないのが人間です。誰もが、精神的に未熟なところと成熟したところがあり、そのバランスは人それぞれ。人の心に形があるとしたら、みんなそれぞれにいびつな形をしているのかもしれません。
結婚相手は、そんないびつさも受け入れて可愛がりたいと思えるような相手になるでしょう。たとえば、少しムカつくことを言われても、他に素晴らしい部分があるから好きで居続けられます。
相手の苦手なことを見つけたら、自分がカバーしてあげること。同じように、自分の不得意は相手に補ってもらうこと。二人とも苦手なことがあるとしたら、笑い飛ばしつつ一緒に対策を考える。
そんなふうに助け合えれば、夫婦は最高の「バディ」になれます。
自分と同じくらい相手の存在が身近で大切になれば、きっと意地悪をしたりなんてできないでしょう。もし結婚して後悔するという状況があるのなら、一度「どんな結婚生活と結婚相手が理想なのか」ということを、「相手ありき」で考えてみましょう。
「相手に何かを話した時、どういう言葉が返ってくると嬉しいか」「そのためにはどういった言葉で話しかければいいか」「自分がこうして欲しい時、相手は何をして欲しいのか」という、相手と自分の性格や好みなどの化学反応を考えるのです。
相手の人格を尊重できるなら、こうして考えてみることで、自分たちなりに結婚生活を良くする答えが出るでしょう。そして素直な気持ちで話し合い、自分たちの関係を改める努力をしてみてください。
コメントを残す